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32年前のはじめての海外一人旅を振り返る
先日ははじめての投稿に沢山の方からスキやフォローをいただき、とても励みになりました!ありがとうございます。
今回は自己紹介の続きを兼ねて、私のはじめての海外一人旅を振り返ろうと思います。お付き合い頂けると嬉しいです☺️
はじめての異国の地はモスクワ その理由は?
小学生の時、母が大病を患い数年後に亡くなりました。そのため、海外旅行どころか国内旅行もろくにできない状況で幼少期を過ごしました。
ずっと海外に憧れていた私が生まれて初めて海外旅行に行ったのは、大学3年生の夏休みの時。行き先はイギリス。
地方から上京し一人暮らしをしていた貧乏学生の私には、ロンドンへの直行便の航空券を買う余裕はなく、アエロフロート航空のモスクワ経由便を買うのがやっとでした。
初めての海外旅行なのに、ツアーではなく個人手配の一人旅、しかもモスクワ経由便‼️今考えると、かなり無謀でしたね。
今から30年以上前なので、携帯電話もパソコンも当然ありません。『地球の歩き方』が唯一の情報源でした。
イギリスに到着してからのことより、モスクワで無事に乗り継ぎできるか、トランジットの間、空港内で一人で安全に過ごせるのか、英語が通じるのか、変な人に連れていかれたらどうしようなど、不安でいっぱいだったのを今でも覚えています。
ちなみに、タイトル写真は、ロンドンでビートルズゆかりの地を巡るウォーキングツアーに参加したときのもの。ビートルズファンの方ならすぐお分かりですよね。アビーロードの横断歩道です。
イギリス B&Bやユースホステルの魅力
イギリスでは到着日のロンドンのホテル一泊分だけを事前に日本で予約しておき、後は現地に着いてから手配しました。節約のため、ホテルに泊まったのは最初の一日だけで、残りはすべてユースホステルかB&Bにしました。
B&Bというのはベッド&ブレックファーストの略で、イギリスでは主流のこじんまりとした宿泊施設のこと。ホームステイのような感じかな。イギリス文化を体験するには絶好の場所だと思います。
正確な値段は忘れてしまいましたが、ホテルより安かったことは確かで、朝食はどこもボリューム満点の正統派イングリッシュブレックファーストでした。
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お部屋のようなバスルームにも心が躍りました。
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ロンドンからバースという町に移動して、小さな教会を訪れていた時、あるイギリス人男性と出会いました。今後の旅の予定などについて話したところ、私が行こうとしている湖水地方(ピーターラビットで有名な場所)は観光地化していているから、それならもっとおすすめの場所があるよ!と教えてもらい、予定変更。
旅の記録メモが見当たらないので詳しいことは忘れましたが、確かApplebyという小さな村でした。北部のYorkまで行ったことは覚えていますが、今改めてApplebyの場所をグーグルマップで検索してみたら、Yorkよりさらに遠い。
そのイギリス人男性は本当に親切な人で、列車のお得な周遊切符の買い方や現地でのおすすめのB&Bも教えてくれた上に、Bathを離れる時には私を駅で待っていて、お手製のサンドイッチまで持たせてくれました。
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ロンドンから長距離バスで移動中にも、生涯忘れられない出会いがありました。隣の席に座ったドイツ人男性。彼も大学生で同世代ということもあり話が弾みました。
彼とは行き先が別々なので別れる前にアドレスを交換。とはいえ、30年前のスマホのない時代の話。当然、アドレスの交換といってもSNSではなく、住所や電話番号を書いたメモを交換しただけ。
ところが、彼とはその後サプライズの再会がありました。私がBathのあとOxfordに行く予定だと言っていたため、彼はイチかバチかOxfordのユースホステルに来たんです。
ユースホステルでは男女別のドミトリー部屋を利用。シャワーやトイレ、キッチンは共同。ドミトリーでも十分安いですが、私が滞在したホステルでは庭にテント泊する、さらに安いコースもありました。
ドイツ人の彼とはすっかり意気投合し、スーパーに食料品を買い出しにいって、ユースホステルのキッチンで一緒に料理を作って食べました。ユースホステルは当時の私のような貧乏学生が利用する宿泊施設というイメージでしたが、それを払拭してくれる家族とも出会いました。
中国系のアメリカ人夫婦が小学生くらいの子どもたち二人とユースホステルに滞在していたのです。私含め色々な国から来た宿泊客と気さくにコミュニケーションをとる、素敵な四人家族でした。ホテルではなく敢えてホステルを選んだ理由が分かる気がしました。
私も将来結婚し子どもができたら、このアメリカ人家族のようにユースホステルに滞在する家族旅行をしよう、と学生ながら思ったことを覚えています。(残念ながら、その夢は実現できませんでしたが)
今は欧米を中心に世界的な物価高で、しかも円安ということもあり、日本では海外旅行を控える動きも見られますし、円安でも楽しめる国に行こうという風潮がありますよね。仕方がないことだとは思います。
貧乏旅行のすすめ モノではなく人が思い出の旅へ
それでも、若い世代の方々にはぜひ海外旅行を経験してほしい。物価高、円安とはいえ、今は30年前と違いLCCが非常に発達しており、安価なチケットをネットで比較しながら買いやすいとても恵まれた時代です。
Instagramなどでは、20代でも高級ホテル滞在を楽しむ方の投稿も目立ちますが、高級ホテルは年を取ってからでもいつでも楽しめますから!ドミトリーも一度は体験してみることをおすすめします。
イギリスでは航空券と滞在費を工面するのがやっとだったので、私は大した料理を食べていません。前述したように、自炊したりいただいたパンを食べたり、買うとしてもフィッシュアンドチップスくらい。一番豪華だったのは朝ごはんかも(笑)
でも、半月くらい粗食だったとしても、普段食事に恵まれている日本人なら(しかも若い方なら)それくらいで栄養失調にはならないから大丈夫。インスタ映えするオシャレなレストランやカフェに行く余裕がないとしても、海外一人旅に行く価値は十分すぎるくらいあります。
お土産もほとんど買えないイギリス旅行でしたが、30年以上経った今振り返って思うのは、旅したこと自体が自分の人生にとって大きなお土産になっているということです。その時の自分でしか味わえない感覚、気持ち、出会いが一人旅には待っています。
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旅の途中で出会ったドイツ人大学生は、明るくて行動的で頭が良くて、人を驚かせることが大好きな人でした。私たちはすぐに意気投合。すっかり忘れていたけれど、彼とはオックスフォードで再会した後、ロンドンで三度目の再会をしたようです。というのも、この写真はおそらくロンドンのピカデリーサーカス前なので。連絡手段がないのに、どうやって待ち合わせたのか謎です。
イギリスから帰国した一年後、彼が私に会いに突然日本に来たことも。私は日本に恋人がいたのでお付き合いには至らなかったけれど、彼と出会えて良かったと思っています。
そのドイツ人の彼とは数年手紙のやり取りをしていました。
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デジタル社会でもアナログ時代の旅を意識する
今回32年前の一人旅を振り返ってみて感じたのは、旅の仕方も旅の記録法も、当時から考えられないくらい便利になったということ。
スマホ一台あれば、チケットもホテルもさくっと予約でき、写真も動画も取り放題。現地の言葉が話せなくてもグーグル翻訳が助けてくれるし、道順が分からなくても地図アプリがある。
人と接するのが苦手な人にとっては気兼ねなく旅行できて良い時代になったと言えるでしょう。実は私自身HSP気質で、人付き合いは得意ではありません。でも、便利な時代だからこそ、あえてアナログ時代の良さを再認識してみようと思いました。
どこにどんな出会いが待っているか分かりません。いくつになっても、どんな時でも、新しい出会いを受け入れる余裕は失わないようにしたい。旅先でスマホを触ってばかりいて、見逃してしまわないように。
動画や写真を撮ればその後いつでも見直すことができるけれど、撮影に夢中になるあまり、その場の空気感を十分体感できなかったら本末転倒。
Be here now. 「今ここ」の精神を、旅先でも忘れないようにしようと思いました。