東大講義録 文明を解く I (日経ビジネス人文庫) (日本語) 文庫
大学生の時に単行本で読んだが、堺屋太一さんが前年亡くなられたこともあるし、ブックオフで100円になっていたこともあり、購入読了。
内容としては、堺屋さんが東大で行った講義録を文庫にしたもので、Ⅰで世界及び日本の文明や経済の成り立ちを解説している。
野口悠紀雄さんも同じことを主張されているが、戦後の日本の経済体制は1940年頃に出来ており、国家総動員体制の戦時下の体制が下敷きとなっている。そのため、近代工業化社会の規格大量生産にはなじむが、ITや金融の時代になると知恵や創造性が重要となるため、競争性を失ってしまう、というのが堺屋太一さんの主張である。
この結論を導くにあたり、いわゆる原始共産制の頃から経済の説明を行い、近代、現代に至るまでの経済及び文明の発展を大学生に説明している。
堺屋さんの主張する政策として、首都機能移転がある。これは首都を東京からその他の地域に移そうという主張であるが、東京一極集中を是正し、発想の均一化を防ぐためにも、是非とも進めてほしい、と思う。東京から見える景色だけで政策を行っていくと、国を誤ってしまう、と思う。