牙を研げ 会社を生き抜くための教養 (講談社現代新書)
元外務省主任分析官の佐藤優さんの本である。
私は佐藤さんのファンであり、全ての本は読むことは出来ていないが、ブックオフで手に入った際は都度手に取り、購入し読むことにしている。常に自分の人生にとって、なんらかの示唆があるからである。
この本の副題は会社を生き抜くための教養となっており、その題のとおり、ビジネスパーソンに対する教養・実務指南書となっている。
本の中で印象に残ったところを書き記す。
1.日本の企業(組織)の特徴は、旧軍部の中間管理職向けのマニュアル『作戦要務令』に見ることが出来る。この文書を読み解くと、日本の組織が、事前にマンデートを与えてその範囲で業務を遂行させる欧米型組織と異なり、『うまくやること』、即ち独断専行を許していること、が分かる。
→日本の組織で出世するには独断専行が必要であるが、ある程度の頻度でホウレンソウをしておかないと、失敗した際は責任が発生し、生き残ることが出来ない。
2. ビジネスの基本は論理力。論理力は、文章のつながり(接続詞)に見ることが出来るが、ビジネス文書ではロジックがつながっているか確認することが重要である。
3.歴史は物語であり、同じ事実でもどの方向から見るかが重要である。8月15日は、日本人にとっては終戦(敗戦)を意味するが、朝鮮人にとっては開放(独立)を表している。歴史を手っ取り早く学ぶには、商業高校や工業高校の教科書となっている『世界史A』がおススメである。なぜなら、近現代に多くの容量を割いているからである。
4.日本の数学教育は、私立文系が入試科目からから数学を排除したことにより、高学歴の人でも、壊滅的なレベルに陥っている。再度勉強しなおすには、講談社ブルーバックスの『新体系・高校数学の教科書』をやり直すのが良い。
自分はサラリーマンとして教養が足りないと感じたので、自己研鑽を続けていきたい。