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いま生きる階級論

前著の「いま生きる資本論」が面白かったので、ブックオフにて購入読了。

ちょうど本書が出版された頃に、トマス・ピケティの「21世紀の資本論」が出版されており、著者はピケティと対談をしている。著者はピケティの結論(徴税による再分配)が資本主義の本質を全く分かっていないものであると一蹴している。

マルクスによれば、労働者は商品であり、労働活動から生まれる超過利潤は生産段階で決まっており、利潤が労働者に分配されることはない。

ピケティの提案のように、資本課税が課されることになれば、徴税権を持つ行政機構が強固な力を持ち、社会主義のように中央集権化した国家が権力を振るい、国家の富は急速に減少していくだろう。(ボーダーレス化した社会で資本は規制の緩い国に逃げていく。)

21世紀の資本論は、マルクスがしっかり分析され・議論されたヨーロッパではあまり売れなかったらしいが、赤狩りのあったアメリカでは売れたらしい。マルクスというだけで禁書扱いされていたため、アメリカの読者には新しく映ったのであろう。

(バーニー・サンダースが若者に受けているのも、社会主義アレルギーがあったアメリカで新鮮に映っているのかもしれない。)

資本主義は半永久的に続いていく強固なシステムだと思うが、その内在的論理を分析して理解しておくことは非常に重要である。


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