「見せる力」は反則じゃない
会社員であれば、たいてい年に一度は査定がある。
そこでは自分が過去1年間でどれだけのことを成し遂げてきたか、アピールするわけだ。
仕事はやって当たり前。
仕事したから給料がもらえる。
それは日本人特有の謙虚な発想なのか?
昔から、仕事でアメリカ人と働くことが多い。
彼らはいたって自分を大きく見せることが得意だ。
1を10とは言わないが、1を3〜4ぐらいに膨らませてトークすることができる。自分の1の実績を3倍、4倍にして話すなんて朝飯前だ。
日本では謙虚さがある種の美とされている。
それはそれで日本人の良いところと思う。
ただ、仕事に関してはもっと自分を大きく見せる術を持っていても良いのではと思うことが少なくない。
日本にある外資系企業でも上に立っている人間は、少なからず自分を大きく見せることが上手な人たちだ。そしてそれは一つの実力でもある。
Visibilityって大事だ。
いかに自分をStakeholdersに見せていくか。
人に好かれることは重要だ。
ただ、上の人間に好かれることはもっと大事だ。
媚びへつらう訳ではない。
うまく自分を見せるんだ。階段を登るために。
組織では、まず階段を登ることが大切だ。
そのあとに自分の好きなことをやればいい。
その階段を登るためには「見せる力」を身に付けることが大事だ。
よく観察するといい。たいして実力もないのに組織で上にいる輩たちを。
これサラリーマンじゃなくても必要な能力だ。
フリーランスでも自分の能力を実際よりも大きく見せる能力が。
採用された後にはみなもうすっかり忘れちゃってる。
採用される時が大事なんだ。
転職しなくていい。ただ、転職活動はしていて損はない。
自分を大きく見せるためのResumeを書き、自分をひとまわり大きく見せながら面接をクリアしていく。万が一に内定とったって、行かなきゃいいだけだ。理由なんていくらでもある。別の会社に決まったとか。給料がちょっと見合わないとか。
とにかくまずよく観察することだ。
その人はなぜ組織の上に立っているのかを。
実力はもちろんつけておく。そこにより大きく見せる力をつけていく。
話は戻るが、その点、アメリカ人は1を3〜4に見せることの天才だ。
彼らはJobが細分化されている環境で働くことが多いから、一人に割当たる仕事の量が時に非常に少ないことがある。でもある程度成果を見せないとクビになってしまうから、1を3〜4に見せることが自然と身につくのだろう。Surviveするために。
子どもの頃からプレゼンのスキルというか、人前でおしゃべりする経験を日本人とは比べ物にならないぐらい積むのでその差も大きい。
とにかく、奴らはいい手本だ。
機会があれば一緒に働いてみるといい。
自分を能力以上にひと回りもふた回りも大きく見せることは、それ自体反則でもなんでもなく、むしろ必要な能力と捉えてほしい。