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ブラックスワンは今どこに?

大暴落、経済危機、バブル崩壊など経済の破綻を引き起こす皆が予見しない事態が起こった時、それをブラックスワンと呼ぶわけですが、次に奴らがマーケットにやってくるタイミングをウォーキングしながら考えてみました。

想定できないからブラックスワンなので基本的に無駄な事ですが、思考実験です。

現況ですが、株価はリーマンショック、コロナショックと経済クラッシュを乗り越えその勢い衰えず、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻と周辺諸国との紛争など軍事進攻を伴う大きな悲劇が起こっていおりますがアメリカの株価は飛ぶ鳥を落とす勢いで絶好調の状態が続いています。

何かあるたびにメディアやインフルエンサーは不安をあおってきます、行動心理学的に悪いニュースの方により過敏に反応する人間の心理を使った金儲けです。心を強く持ちましょう。そしてこのリストを使って心を鍛えてください。陰謀論者の検索履歴みたいになってしまいましたが、、、

  1. 地球外生命体による侵攻や貿易など

  2. 地球の生命が滅亡しない程度の隕石

  3. 株式マーケットが壊滅しない程度の世界大戦や核戦争

  4. 致死性の病原菌やウイルス

  5. 先進国の連鎖的経済破綻

  6. 金融システムの崩壊

  7. 大規模なサイバー攻撃による社会インフラの破壊

  8. AIの反乱、アルゴの暴走

  9. 少子高齢化

  10. 急激な気候変動になる居住可能なエリアの大規模な縮小

  11. 為替の急峻な変動

  12. 汚職事件

  13. 不正会計

ここから始まるのはSFの読みすぎか。地球外生命体の侵攻はバッドエンドで考える必要なし、友好的な場合も社会システムや技術などが一新されハッピーエンドで考える必要なし。終わり。どうしようもない事は考えても無駄の典型例です。

隕石はどこに落ちるかに次第かな。予測不能、考えるだけ無駄。これこそブラックスワン中のブラックスワン。

情勢不安は続いています、世界大戦や限定的な核戦争はありえると感じている人は少なくないのではないでしょうか。外交的努力で乗り切って欲しいと切実に願います。ただ、世界大戦は次で3回目、核戦争の危機も何度もあったと聞きます。ブラックスワンではないにしろ影響が大きすぎます。

致死性のウイルスは先日経験しました。2年間経済が止まり、物流もとまり、株式市場もクラッシュしました。その代償に人類はmRNAワクチンとWFHを手に入れました。ただ、前回のスペイン風邪に比べると圧倒的に人類が状況をコントロール出来ていました。次回は発生前に未然に防ぐかもしれません。経済では生産や物流施設はダメージを受けていないのに、インフレが加速しました、これは恐怖からくる心理的ダメージによる経済活動からの退避や退職の前倒しなどの生産力の低下からくるものとみられており2024年現在でも各国はターゲットを超えるインフレ率のコントロールに苦戦しています。ブラックスワンだったかどうかは意見が分かれています。

先進国の連鎖的経済破綻ですが、債務不履行の連鎖で起こった事はないです。数少ない先進国が破綻した例ですが、アルゼンチンは2001年頃から数年をかけて経済危機の後にデフォルトに至りました。ロシアのデフォルトが発端になったと言われています。この時にアルゼンチンがどこかを巻き添えにしていた場合は当該の事象につながったと思います。短期間で連鎖的経済破綻が起こればブラックスワンと呼ばれるでしょう。日本もアメリカも天文学的な数字の債券を抱えています。いざ崩壊が始まれば逃げ場はありません。

金融システムは崩壊しなくても崩壊するかもと皆が思うだけで大惨事になります。そんな中アメリカ大手金融のリーマンブラザーズ破綻はブラックスワンでした。住宅価格の値上がり、サブプライムローン、デリバティブ(金融派生商品)、誤った格付け、クレジットデフォルトスワップ、リスク超選好型投資スタイル、中央銀行が見捨てたなど複数の要因が合わさって起こった事案でした。この類のブラックスワンは発生の度に規制が強化され発生確率は下がり続けると思われますが、リスクを取り過ぎて破綻はいづれかの形で今後また起こると思います。アメリカではシリコンバレーバンクが経営破綻に追い込まれ、日本でも地銀の経営が厳しさをましています。通常の経営破綻と金融システム崩壊は意味が違いますが、金融当局の手腕が常に試されます。

大規模なサイバー攻撃によるインフラ破壊はいろんなレベル感があるので一概に言えないですが、物理的な破壊が伴わな場合は致死性のウイルスに似た状態になるのかなと、生産設備はダメージを受けていないが生産が出来ずに物流もストップする状態。物理的な破壊を伴う場合は台風などの災害に近いですよね。ITシステムの大多数が攻撃され同時に感染する事例はたびたび起こっており、これはコンピューターシステム群はネットワークを構成して互いに通信出来る事、ソフトウェア構成のバリアントが少なく、ひとつ破られると同時に多くのシステムが攻撃対象となる事から、ブラックスワンになりえます。映画ターミネーターはAIが自身をネットワークに接続させるため、全世界にサイバー攻撃をしましたね。

AIの反乱も大規模なサーバー攻撃と同様に発生するリスクがあります。テスラが無人のタクシーを発表しましたが、システムが乗っ取られれば死人が出ます。サイバー攻撃と違うのはコンピュータが自らの意思で人間社会を攻撃する点です。ブラックスワンになりえますが、現時点では対象範囲が限定される事から汎用的なAIが世界中で使われるようになった後の世界の話かもしれません。

昔からある方法ですが、アルゴリズムによるトレードも高速洗練化され最近の急峻なマーケットの動きに一役かっているそうです。短期的な暴騰、暴落が起きやすくなっており、信用取引のロスカットリスクが上がっている気がします。注文時の桁間違いなど、人間のミスは過去に何度も発生し金融機関が多額の損失を出した例はあります。ただ、短期的に収束する場合がほとんどだと思います。

少子高齢化は緩やかに経済が弱体化していくので危機的な状況を引き起こしますが、ブラックスワンではないですね。経済が豊かになり、寿命が延びて高齢化し、妊娠をコントロールする事が可能になると出生率が下がるのは自然な事だと思います。

急激な気候変動もブラックスワンになりえるかと思います。全世界的かつきわめて自体が早く進行した場合は隕石と同等の影響が出ると思われますが、現在の様に年単位の動きで進行する場合はブラックスワンにはなりえないと思われます。

急激な為替の変動は結果であって、変動自体が理由にならない様に思います。過去にヘッジファンドが国家に戦いを挑みアジア通貨危機を発生させました。仕手戦は規模が大きければブラックスワンになり得ますが、為替変動そのものがブラックスワンではないと思います。

汚職事件と言えばウォーターゲート事件を真っ先に思い出しました。経済的な観点から言えば直接のブラックスワンではないかと思います。

不正会計と言えば、エンロンでしょうか。日本でも不正会計が後を絶ちませんが。エンロン事件は、監査法人もグルになって特殊目的会社とデリバティブを使った損失隠しを通じて利益の水増しを行っていました。監査法人や金融システムへの信頼を裏切る行為でブラックスワン的な事件だと思います。内部統制、外部監査、SOX法など規制が導入され金融システム強化により、大規模な不正会計は難しくなってるはずですがまたどこかで起こるかもしれません。


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