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ふと。君を見つめていた。

僕と君の目が合った。どんな気持ちを僕に抱いているのだろう? 不安? 希望? 死なんて少し感じたり。

僕は、君となら死ねると本当に思う。「タナトス」に誘惑されたわけではない。そこに感傷なんてない。僕は青春を感じることもない。

ただ、君と死ねたらいいのになと思うんだ。酷評された映画のタイタニックの老夫婦のように、最後に死ぬときに君の手をつなげていたらと思うんだ。

僕は、もう結婚することなんかあるのかなあ? 華やかな結婚式の裏側で、何人もの夫婦が離婚していて。何人もの子どもが傷付いて。だから、僕が結婚しない理由ではないけれど。

悲しいんだ。ただ、ふと、目があった君の悲しげな景色が見えたようで。景色の中に僕がいるのかなあなんて思ったり。

フロイトだってユングだってアドラーだって、わからない感情。わかってほしくない感情。僕の為だけの感情。

「君が好き」ということはりんごのようにハーフカットされたくなくて、それしかない。

僕は、40歳にもうなる。

そのときには景色は変わるのかなあ? 誰か教えてくれよ。酔いどれた僕に。

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