若手層の心を開くために私が意識実践していること②
研修講師として企業向けにコミュニケーション研修などを提供、
調剤薬局にいた経験を活かし、ホスピタリティコンサルタントとして
医療機関でのチームづくりに関わっています。
前回の記事投稿から時間が経ってしまいましたが、前回書き切れなかったことを今回はシェアしたいと思います。
ちなみに前回の記事はこちらです
↓
若手層を育成される方から、
「彼らが何を考えているのかわからない」
「厳しく伝えるとハラスメントになってしまいそう」
「優しくしすぎると、なめられてしまい言うことを聞いてくれません」
などのお悩みを良く伺います。
「鷹取先生の言うことを彼らがしっかり聞いて動くのは、
どうしてなのですか?秘訣を教えてください」
ありがたいことに、そんなご質問をされることもあります。
そこであらためて、何を意識実践しているのかまとめました。
1.相手の気持ちに共感する
「○○の業務ははじめてなのでできるか不安です」
「○○に対して自信が持てないんです」
若手社員が不安な気持ちを話してきた際、どのように対応していますか?
「大丈夫だよ、あなたならできる!」
「それくらいで不安を感じることないよ」
そんな風にポジティブに捉え直したり、励ましの言葉を伝える。
私がまだ後輩指導に慣れていない時、こんな風に対応していました。
でもね、そうすると相手の表情が一瞬曇ることに気づいたのです。
どうしてなのか?と少し振り返ってみました。すると、私自身が昔上司に対して不安を伝えた時の気持ちを思いだしました。
ポジティブな言葉や励ましの前に、「共感してほしかった」んですよね。
「不安に感じているんだね、そっか~」
「わかるよ、私も新人の頃同じような不安や悩みを感じていたから」
そんな風に相手の気持ちをまずはまるっと受け止める。
それからどの点が具体的に不安なのか?などを質問をしながら引き出してあげる。
その上で、何かサポートできることがあればサポートする。
このように対応を変えたら、相手の表情が曇ることがなくなり、前に進めるようになりました。
「私があなたくらいの頃は、そんなの不安に感じなかった」
「そんなことで躓いているなんて、情けないわね」
新人時代にそんな心ない言葉を掛けられたこともあった私。自分がされて嫌だったことは絶対にしたくない、と思って指導しています。
2.相手の成長にフォーカスして愛を込めて叱る
「叱る」とは相手の成長のために伝えること。叱る際には、具体的な改善点や期待を伝えることがポイントだと思っています。
一方で、「怒る」は自分の感情を発散することが目的になりがちで、感情的になってしまう・・・
自分の気持ちを発散するために怒りをぶつけていると、相手も人間なのでそれを感じ取り、こちらが伝えたことを聞きいれようとしなくなります。
愛を込めて相手の成長のために伝える。これが一番大事なんですよね。そして相手を責める前に、なぜそのミスが起きたのかを一緒に考える。
「どうしてこうなったと思う?」と質問をしながら、自分から気づきを得られるようにしていく。今までの経験から、コーチング的な関わりが指導には効果的だと感じています。
そして叱る時には、できていた点もしっかりと伝えます。
「今回ミスはあったけれど、◯◯の部分はしっかりできていたね」とできていた点はしっかりと承認し、褒める。そうすることで相手は、
・○○の部分は正しいんだ。じゃこれは継続していこう
・できている点もあるから、今回ミスしたことを活かして次回は頑張ろう!
そんな風にやる気になると思うのです。
正直、言いにくいことを言いたくない、嫌われたくないという気持ちから本気で相手を叱ることはしたくない。そもそも自分だって忙しいし・・・
そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かにそう思うお気持ちもめちゃくちゃわかります。ハラスメントなんて言われたくないですしね。
でもね、私たちが社会人として成長してきたのは自分だけの力ではありませんよね。言いたくないこともしっかりと愛を込めて伝えてくれた上司先輩のお陰もあると思うのです。
育ててもらったことを返していく。これが大事なのではないでしょうか。