渋沢栄一伝 幸田露伴作
新しいお札に渋沢栄一。イケメン吉沢亮が演じたドラマも観ていない。ビックリするほど大会社の創業に関わっていることは薄々聞いているが、具体的になにをしたのか、どんな人だったのかを知るために本書を手にした。
幸田露伴の独特な比喩も散見されるが、正直昔の文体で読みにくかった笑。
やたら人名、金額などが出て来て、渋沢栄一の交友関係の広さ、銭勘定の鋭さを表現するために事実を沢山並べ紹介してくれているものと思うが、読み飛ばす事で読書スピードがあがった。
この所幕末、明治維新に活躍した偉人の読書が続いている。風を読み、半歩先行く考え方。私利私欲を肥やすのでは無く、国益を増すために経済を立て直す経歴は尊敬に値する。官から民に移っても国のために仕事し続ける姿は素直に尊敬できる。かっこいい。
本書を読み終えた感想だが、収支をコントロールする感覚がいかに大事か思い知らされる。幕末の狂った経済状況を改善するために税制を改め、良質の紙幣を作るために製紙会社、銀行を立ち上げる。自分のオリジンでもある綿紡業で工場を設立、後には良質の原材料を輸入するため海上輸送を国内に立ち上げ、諸外国を追放し保健会社も立ち上げ各事業と結びつける。工場設立に当たっては火事による被害を最小限にするため煉瓦を焼く仕事も助成し、ガス灯を街中に配置する為にガス会社も創立する。造船所に関しては我が社の起源である造船会社の会長を勤め、現在ではコンペティターであるM社創立者と私欲を肥やすか、国力を増すかの戦いもあったようでニヤリとする。
2024年、風の時代。色々な価値観が大きく変わると思われる。時代の風を読み、全ての事業に関わる偉業を達成した渋沢栄一氏に敬礼です。