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母と私の埋まらぬ溝

子供の頃から母が私に言い続けていることがある。

・男の子と遊びまわっている女の子なんてしょうがない。
・親戚は口ばっかりで役に立たない。
・お父さんが動かない
・お金は?
・体を大切に。
・あなたは一人遊びが好き
・あなたは人間関係が下手
・死ぬときは面倒みて

お父さんはもう死んでしまったから、残り5つは傷の入ったレコードみたいに、何度もリフレインして、昔から変わらない。

もうだいぶ大人になって何十年も経っているのに、母の私のラベルは変わらないのだ。

そんな母でも、私の絵を子供の頃から応援してくれていたし、お金もたくさんかけてくれた。私は母の喜ぶ顔を見たかったので、頑張っていたところはあるかな。
でもある時期から、私が成功を収めても喜ぶどころかディスるようになっていた。
実家に行くと、弟の方が頼りになるから、と言って、私のことは除外状態だった。


「あなたは一人遊びが好き・人間関係が下手」と言うのは、子供の頃、母があまりにも私のことをディスるので、自分を慰めるために一人の時間を持っていた。だから一人の時間に見聞きしたことが文章になったり絵になったりしたのだ。
でも私が作ったものが、賞を取るなど目に見えた成果を出さないと母は認めなかった。
だから成果を出そうと頑張っていた。私は母に認められて自分の居場所を持ちたかったから。

でも、先日ラインで話した時には、母は、結局利害でしか人を見ることができないんだとわかってしまった。
母もただの人なんだ。


母が年老いて、助けて欲しそうだったので、手を貸そうとしたら、傲慢な弟にピタリと寄り添っているのに失望した。そして「弟の方が家族に労力を惜しまない」のだそうだ。

「あなたは修羅場を経験しなさい」と言うので、私は「そんなの経験しない、私は自分の人生を生きる」と言った。あなたのために修羅場を積んでも、私にはなんの得にもならないから。

なんでも自分の思い通りにしたいのだ、この人は。
だからこの人の思い通りになってはいけないと思った。

今でも絵で成果を出すと、お母さんに言いたくなるもの。お母さん見てって。
でももうお母さんはいないのね。それを実感した。

今までモチベーションになっていたものが崩れた感じ。でもだから絵を描くことをやめることもできない。なぜって絵は、すでに私のキャリアとして、根付いているから。新しいモチベーションを探さないと。

お母さんって残酷な人だ。
人間関係リセット症候群ってあったけど、お母さんもそういうもかな。


さっき大愚和尚のyoutube見ていたんだけど、老いると言うことは、本来持っていたものが出てくるってことなんだね。
こんなにわがままで愛のない利己的な人だったのかな。弟はどんな気持ちでそばにいるんだろう。
まあいい。二人仲良くやっているなら。


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