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あったりなかったりしても、その先に。


ハイクラスの料金で料理する機会をいただいた。


ローカルな土地に暮らしながら、
じぶんが何かを行動する、挑戦する、選択をするときに、自然と身についてしまった癖がある。

それをすることによって、三つ以上のポジテイブな変化や学びがあるか。

そしてそれをやりたいと思っている人が他にいないか。

逆に手放してしまう時は、それを続けることによって三つ以上のネガティブな変化があったり、それをやりたいと思っている人が他にいたり、現れた時だ。

やりたいという人には、大いに活躍して欲しいのでサッと身を引く。

やめたい気持ちがあっても、一つぐらいならまだ学びと成長があるだろうと思って続けるし、やりたいと思っていても、この条件が揃ってくると手放すことにしている(特にやりたいと思っていても10以上の条件が出てきてしまうと苦しめられる。それでもやりたいことは続けるけれど。笑 あくまでも自分が手を伸ばせる範囲での小さな物語です)

これがあったらおもしろそう、そして誰もやりたいと思ってなさそうな〜〜事を常に見渡している。

人生で起こってくることに満足しているし、面白がってもいたい。

そして、自分にしか歩めない誰もいない道が出来上がってくると思う。


その土地のテロワールを表現する。

フランス料理とそのシェフに対する憧れがある。

どの地方でも料理でその土地を表現するシェフがいる場所は魅力的だ。


壱岐島の食材だけで完結するコース料理。


自分の経験値は足りないことは分かりきっていたけれど、お話をいただいたので挑戦してみることにした。



まず一旦、未来派カゾク農園さんに、今ある野菜を聞く。

あかりや角谷くんに旬と魚を仕入れさせてもらえるかを聞く。

変化する環境に、なかなか仕入れが安定しない。


その後、魚や野菜を、今旬の食材、質の高い材料を集めるために、島内の全てのスーパーと直売所を廻る。

調味料以外は、壱岐の食材だけで完結させる。


その時々で、あったりなかったり、全く期待しない面白い食材があったり、これが今、季節だからあるだろうと思って目星をつけていると、その前後だけなかったりして、仕事が終わった後にひょこっと売っていたりする。

よっしゃ!と、これがあったか!と、ないやん、、、と、あるやん、、、を行ったり来たり。

ちょっと振り返っても一人で一喜一憂していたので面白い。


制約という学びと遊び。


旬がズレている。というのは数年前からどの地方でも言われているが、本当に読めなくなってきた。

これから、自然環境がどれくらい変化していくかとかは、私にも全くわからないが、毎年の変化が著しく、ちょっと肩をすくめている。今年は本当にあったりなかったりで生産の現場に近い人たちからの声に一喜一憂した年だった。


これからは飲食店でメニューを決めてから、仕入れをするということがナンセンスになるのではないかという予測と、ないとつくれないという発想から、規格どうりに、とか年中あるようにする、ということの上で成り立っている循環が非効率でもったいないがしている。


どちらにせよ、あるものを最大限に活かすこと、どうしても無くしたくないものに関しては、多くの人の知恵と努力が必要だ。



満足していただけるかなぁ。と、ハイクラスな料理と自分の拙いテクニックを補うための、壱岐の中でもハイクラスな食材を集めるという経験は多角的に結構、というかかなり神経をすり減らしたが、一人で何がしかの精神と時の部屋をつくって負荷をかけるのが好きだな~、ははは。と自分にツッコミたい。

その日まで何が出てくるかわからないコース料理を予約してくれ、食べてくれたお客様に深々と改めて頭を下げたい。


どこかにお店があるんですか、とか、初めてチップをいただいたりもしたけれど、自分では納得ができず拙いテクニックも含めて、機会をいただいたことに最大限の感謝をしつつ、やっぱり下町派だなぁ。ということに落ち着いた。


ただ、やっぱり、どんなシーンであってもお客様の笑顔はやっぱり格別の報酬だ。


立命館大学の''食マネジメント学部''滋賀キャンパス
の学生さんが、壱岐の食材を使って京都で料理をする機会があるので、トミーさんはなしをしてもらえませんか?
と、お話をいただき、話をした。

かき集めた情報をシェアし、いろいろな提案をして「すごいアイデア出てきますね!」
と関心してもらえたのはちょっと嬉しかった。
そして、自分では、出て来なかったアイデアが、学生さんたちから出た時に、さらに嬉しかった。

(そう言えば、ハイクラス料理をつくるのを手放そうと思ったのもレストランはサービスや食材調達からパーツづくり、新しい味覚の発見や表現が最高のチーム戦だという結論と納得があったからだ。ひとりでやるのは無茶である笑)

生徒さんからもらった食マネジメント学部の資料に、「食を多面的に捉え、広く深く理解する。」
とある。

食と心理学、食と民族、食の思想と文芸、農業経済学、美食ビジネス、食と環境、消費者行動分析、フードデザインマネジメント論、食の文化人類学、などなど、興味がある、おもしろそうな科目が満載で、自分が手当たり次第に知りたいことの。
それが言語化されていてわくわくした。

食は必ずみんなが関わっているからおもしろい。
食マネジメント学部には入れないので、とぼとぼゆるゆるこの道を歩いていく。

変化していくことは、ずっと変わらないから、
どうせなら

''世界をおいしく、おもしろく。''

学生のみなさん、ありがとう。

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