中学受験偏差値

ネットを見てますと、大学受験で使われるのは2.5刻みの河合塾偏差値が多いような気がしますが、中学受験はどうでしょう?

ネットを見てますと、偏差値は母集団に因るので一概には言えません、とは書いてあるものの、「一般的には…」とか言って何の偏差値かを示さず語られている投稿をよく見ます。

例えば東京学芸大学附属世田谷中学校の「偏差値」は以下の通りです。

SAPIX          50
首都圏模試 65
四谷大塚  57
日能研   55

別に学芸大学附属世田谷中学校に何かあるわけではありませんが、2月1日しか入試をしない中学校はトップ校が殆どで、その他の中学校は複数回入試をするので、比較が難しいと思い、1回入試の同校の数字を拾ってみました。

次に麻布と開成です。

      麻布   開成
SAPIX             61          68
首都圏模試  76          78
四谷大塚   66          71
日能研    67          72

お子様が中学受験をされた皆様は良くご存じかと思いますが、やっぱりトップ校受験をするならサピックス偏差値ですかね。首都圏模試偏差値では上が詰まってしまっている感じで偏差値には大きな差がでません。四谷大塚、日能研は判断材料として採用できる偏差値帯が広い感じ。学芸大学附属世田谷中学校の各偏差値の差は麻布、開成にはそのままには当てはまらないようです。まあ、模試の受験集団が違うからなんでしょうが。

お子様にとって偏差値の高い学校が必ずしも良い訳ではありません。
とは言え、折角大きな経済的負担をして中学受験をするのなら、志望校の難易度を良く示している偏差値を参考にすべきですね。偏差値が高く出ると思われる首都圏模試を受けてお子様にやる気と自信をつけさせるのも良いですけど、しっかりお子様には偏差値の仕組みは説明すべきと思います。

蛇足ですが、私の娘は都内某所にある完全中高一貫のミッション系の女子校に通ってました。算数の問題に特色がある学校でした。その学校は算数は部分点を頂けるのですが、先生は合格発表の時間が気になりながらも、答案の記載内容の他、余白に書いてある計算や、書き込みまで全て目を通し、部分点を付けているそうです。答えがあってなくても、どこまでわかっているか、この子の本当の力はどのようなものか?できる限りその受験生の可能性を見出すべく、あらゆる痕跡を見て採点するそうです。いかにもその学校らしいところで、そこが私がその学校の大好きなところですが、解き方がある程度わかっていながら正解に辿りつけなかった受験生は、答えしか見ない模試だと、出来なかった問題はバツにしかならないので合格者偏差値は低くでることになります。従って、偏差値が届いていないのに合格した、とかその逆とかがボーダー付近ではあり得ます。

勝負の夏になりました。受験生を持つ親の方におかれましては、教育虐待になることなく、無限の可能性を秘めたお子様に最大限の配慮と愛情を注いであげて下さい。お子様の人格形成で最も大切な時期を過ごす志望校を、自分の希望を押し付けることなく、お子様の個性を良く理解し、偏差値だけで見ることなく選ばれることをお勧めします。娘の学んだ学校はトップ校ではありませんが、中高で受けた教育には大変満足し感謝をしています。

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