学生さんの就職相談②
高次脳機能障害当事者・家族会合で知り合った臨床心理士さんからの依頼で、障害を持つ大学生の就職相談を受けることになった。
前回投稿では学生の就職活動のいろはをつらつらと書いていったが、その続きを書いていきたい。
オープン就労/クローズ就労
障害のことを言わずに一般就労で働くことをクローズ就労といい、障害をオープンにして必要な配慮を得ながら障害者雇用で働くことをオープン就労という。
相談の中で、障害を言わずに働くことが出来るか?という質問があった。
もちろん会社に言わずに働くことは可能である。
だが障害者雇用では無く一般就労となるため必要な配慮は得られないけど、それでも業務を遂行することが可能か否かを軸に考えた方が良いとアドバイスした。
これは職種によって全く異なってくるだろうし、本人はやりたいと思っていても配慮が無いことによって出来ませんでしたと潰れてしまう可能性がある。
私自身復職してできると思ったが、いざ制限が解除されたら何も出来なかった過去があるので、無理はせずに自身の障害を理解し、その上でこのような配慮があればこのようなことが出来るという自己分析を行って、職種と照らし合わせてみてることが大切である。
障害者雇用と一般就労での給与の違い
背景としては障害者雇用だから低く設定されるのではという不安からの質問であった。
これは私自身も転職活動をして思ったことだが、企業によって本当に異なる。
一般就労と同一賃金の企業もあれば、年収200万円みたいな企業もあった。それぞれの企業が考える職務内容に対する労働対価になるので、バラツキが出るのは当然である。
全ての企業が障害者だからといって低く設定することは無い。
なので、自分のやりたいこと、出来ることを踏まえて求人内の報酬を見て許容できるかを判断してはどうかというアドバイスをした。
社会に飛びすことへの不安
よく社会人になったら厳しいぞって言われることへの不安と、障害者だからって何かしら冷たくされるのでは?という不安から来る質問であった。
私の経験談とはなるが、若いうちは色んな人が手を差し伸べるてくれるし、失敗してもいいからどんどん前向きに何事も取り組むべきであると。その中で叱責を受けることもあるだろうが、全ては次に向けてのアドバイスから来るものである。そうやって皆社会に出て成長して社会人となる。そういう話をした。
また障害者差別については、企業に通報窓口や相談窓口があることや、上長との面談、人事との面談設定など色々と手立てがあることをお伝えし、もし内部が機能していなくても労働基準監督署など外部へ相談することも出来ることも併せてお伝えした。
その①でも書いたことだが、世の中に情報として溢れるブラック企業のイメージがものすごく増長しすぎて、社会に出たことがない学生さんに影響を与えているのだなぁと思った。
カウンセリングを終えてみて
新卒という部分で中途と異なり、社会に出るとは?実際社会はこんな感じだよというところから説明が必要だったが、今回学生さんとコミュニケーションをとってみて自分自身のこれまでの経験の振り返りや棚卸しにもなったし、今後若い方と触れ合っていく中で何を伝えたら響くのか、若い方は何に対して不安や懸念を持っているのか、良い気づきの機会になった。
自身の経験をアウトプットすることは、よりその経験を自分のものにできるチャンスになる。
また、それが少しでも誰かの役に立てたのならありがたいし、自分の生きている、生かされてる意味があるなと感じることが出来る。
これからも機会を頂ければ支援をしていきたいと思った。障害を持つからこそ理解出来ることもあると思うし、同じように困っている、不安に感じている人の支えに少しでもなれたらなぁと思う。
今回本当に貴重な機会を頂いた臨床心理士さんには感謝しかない。これからも同様の活動を引き続き頑張っていきます。
今回の投稿も読んで頂いてありがとうございます!
次回の投稿もよろしくお願いします。