軽やかに生きると人生がうまくいく(五つ星ホテルで働いて学んだこと)

大学卒業後、東京ディズニーランドのそばにある五つ星ホテルで3年間働きました。いろいろなお客様が訪れるホテルは、まさに人生劇場。

右も左もわからなかった新人のわたしも「こういう人が大切にされるんだ」「こういう人のお願いがすんなり聞いてもらえるんだ」ということがだんだんわかってきました。

こういう人とは、軽やかに生きている人。

軽やかに生きている人って、まず笑顔があります。もうそれだけで楽しそう、機嫌も良さそうに見える。

わたしたちスタッフも近づきやすいから、他の人より良いサービスを受けられる可能性が高い。そしてそういう人はコミュニケーションも軽め、あっさり目

わたしはエグゼクティブフロアー担当で、専用ラウンジに常駐していました。朝食時は混雑することも多く、希望のものがなくなってしまうこともたまにあります。

そんな時でも軽やかに生きている人のコミュニケーションはこんな感じ。

お客様「あれ、オレンジジュースないの?」(ニコニコ聞いてくる)
わたし「申し訳ございません。ただ今切らしておりまして、もうしばらくお待ちいただけますか?」
お客様「あっ、そうなのね。じゃあ、アップルジュースある?」
わたし「はい、ございます。少々お待ちくださいませ。」

自分が望むオレンジジュースがないことを大げさに捉えず、執着もせず、さらっと他のリクエストができる。しかも笑顔で。

怒られるかなと思ったわたしもホッとしてアップルジュースを用意し、そのあとオレンジジュースが運ばれたら、真っ先にそのお客様に知らせにいく。

こういうお客様だと頼まれなくても「なんとかしてあげたいな」って自然に思える。いわゆる愛されキャラ。

では、重めに生きている人はどうでしょうか?

まず笑顔少なめ。怒ってもいないのにちょっと深刻そうな感じ。まわりも最初から緊張モードに入る。コミュニケーションもやっぱり重めかな。例えばさっきの会話もこうなる。

お客様「あれ、オレンジジュースないの?」(表情・声ともにややきつめ)
わたし「申し訳ございません。ただ今切らしておりまして、もうしばらくお待ちいただけますか?もしくはアップルジュースでしたらすぐご用意できますが。」
お客様「えっ、なんでないの。朝食はオレンジジュースが普通でしょ。早く持ってきて!」
わたし「かしこまりました。少々お待ちください。」
お客様「早くしてね!」

そのあと希望したオレンジジュースを持っていってもニコリともせず、きっとご本人はいやな気分がずっと続いているんだろうなぁと。

スタッフも「さわらぬ神にたたりなし」じゃないけれど、お客様をそっとすることを選ぶ。(またの名を「敬遠」と言う)

決して悪い人ではないのに、良いサービスを受けられるチャンスを逃し、損をしてしまうキャラ。

ちなみに、こういうお客様は別の機会に話してみると実は良い人であることが多く、本当にもったいない!

あの頃はまだ「引き寄せ」「波動」なんて言葉は知らなかったけれど、人生がうまくいっている人・うまくいっていない人には違いがあると、たくさんのお客様と接する中で日々学びました。

そういうわたし自身も、夫婦関係や仕事がうまくいっていない時は「重めの人」になりがち。

たとえば夫が靴下を裏返しにしたまま、洗濯カゴに何度も何度も入れた時。「また裏返しに入れて!」「何度言えばわかるの!」と夫を重ーく追い詰めて大げんか。言う方も言われた方も嫌な気分。

そこで「靴下を表にしてカゴに入れてくれると(わたしが)すっごく助かるんだけど!」と笑顔でさらっと、でも夫の目を見て言ってみた。すると夫も「ごめん、今度から気をつける。」と素直にあやまり、直してくれました。

また仕事が忙しい時は自分の中で笑顔が消え、必要以上に焦ってピリピリしたり、「話しかけないでオーラ」を出しまくったり。わたしのまわりの空気だけが重い重い。

同僚だってサポートしたくても近づけない。で、負のスパイラルにハマっていく。悪循環ってこういうことを言うのね。笑

そんな時「今、重くない?」って自分がまず気づく。気づいたら深呼吸して笑顔を少し取り戻します。そして「あー、もう嫌になっちゃった」「無理だぁ」とか軽めに騒ぐ。

そうすると「どうした?」「なんか手伝えることある?」って、まわりの同僚も近づいてきて声をかけてくれました。実際、同僚が手伝ってくれて仕事が回り出したり、声がけだけでも自分がホッとしてリラックスしたせいか、そのあとの仕事がサクサクはかどったり。

そんなわけで、わたしの中で「軽やかに生きる」というのは大事なキーワード。人生がうまく回るヒントのひとつだと思います。



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