楽屋で、幕の内。|それって、毒キノコ? July.10

仕事以外でも書くことを習慣化したいと思っていた私に、リレー日記の話がやってきました。書きたいテーマがいくつも頭に浮かびましたが、前回のバトンを引き継いで「自然」について私が思うことを発信したいと思います。

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「その質問は、人間の視点で生き物を見てるからだろうね」

これはバードウォッチングに参加した際に、スタッフの方に言われた言葉。県営の広い公園を散策している時、金色に輝くキノコを発見してテンションが上がった私が「このキノコは毒キノコですか?」と質問した言葉への返答でした。

「人間が食べることを第一に考えてるから、その質問が出るんだろうね」 

私にとって、この言葉はかなりの衝撃でした。私が無意識に発している言葉って、当たり前だけど人間本位なのだと。

「あそこを見てごらん、トンボが水で濡れたコンクリートの地面に体を擦りつけながら飛んでるでしょ。あれは卵を産みつけようとしてるんだよ。トンボの目にはここが湖に見えるんだろうね。コンクリートは自然界に存在しないから」

家族の休日にぴったりで、舗装された道はベビーカーでも楽に進めて、散策しやすい県営公園。緑も植栽されているから、すべての生き物に配慮した優しい場所だと思っていました。

人間が屋根のある場所で暮らすように、鳥にも最適な住居があります。河川の土壁に巣穴を掘り、子育てをする鳥がいるそうですが、河川の改修で斜面がコンクリートに覆われ、巣作りができずに繁殖地が減っているという話を聞きました。思い悩む私に、スタッフの方はこう教えてくれました。

「その鳥が巣作りできるよう、コンクリートの外壁に穴を開けた特殊なブロックを設置している河川もあるよ。内側が土になっているから奥に巣穴が作れる。各地に増えれば、鳥も繁殖地を変えずに暮らせるかもしれないね」

人間目線の考えになりますが、人には知恵と技術があります。多種多様な生き物と共存していく方法を作り出せると信じています。それには情報の発信が必要です。こじつけになるかもしれませんが、さまざまな思いが交差するこの世界で、ライターは関わりのないもの同士を繋ぐツールになれると思っています。

最後に、県営公園で見つけた可愛い生き物を。

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これ、なんだかわかりますか?「松」の赤ちゃんです。この子が、空を覆うように茂り、威厳に満ちた大木になるなんて…愛おしく感じませんか。  愛おしいと感じる気持ち、これも人間らしい視点かもしれませんね。

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