薄情ローレライ
幾千年の昔、人間に憧れる人魚がいました。
海辺で貝を拾っている青年に人魚は話しかけました。
「どうすれば私は人間のように地面を歩けるようになるのだろうか?」
青年は答えました。
「神様に祈ってみてはいかがでしょうか、神ならお困りの方を見捨てないはずです」
神を信じない人魚は青年をぶち殺しました。
続いて岸で釣りをしている老人にも人魚は尋ねました。
「わしはそなたが歩けるようになる方法を知っている。お前さんの血を瓶いっぱいくれたら教えてやろう」
老人が人魚を騙しているのだと思い、人魚は老人をぶち殺しました。
イライラした人魚が沿岸を泳いでいると、とあるおじさんが話しかけてきました。
「人魚さんや!そちらへは行かない方がいい、危険だ!」
しかし人魚は無視して泳ぎ続けました。
すると目の前に海賊船が現れ、人魚は囚われて殺されてしまいました。
人魚はどうして人間になれなかったのでしょうか?
それは、信じる心が無かったからです。
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