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王様の置物

幾千年の昔、とあるところにコビーという少年が住んでいました。ある日、コビーは滑って転んで足元にあった壺の中に頭が挟まってしまいました。引っ張っても引っ張っても抜けません。

困り果てたコビーは近くの老人を訪ねました。

「なあなあおじいさん。僕の頭に挟まったこの大きな壺をとってくれないか?」

老人はトンカチで壺を叩き割ろうとしましたが、傷1つ付きませんでした。

次にコビーは隣町の大工達を訪ねました。

「なあなあ大工さんたち。僕の頭に挟まったこの大きな壺をとってくれないか?」

大工達は壺に縄をくくりつけ、10人係で引っ張りましたが、びくともしませんでした。

次にコビーは闘牛場を訪ねました。

「なあなあ立派なお牛さん。僕に頭突きをしてくれないか?思いっきりしていい。この壺を叩き割ってくれ。」

何頭もの牛が壺に頭突きをしましたが、ヒビひとつ入りませんでした。

コビーは困り果て、街中にポツンと1人で立っていました。すると、そこに馬車に乗った王様が通りかかりました。そして、頭に大きな壺を被ったコピーを見て言いました。

「なんだあの素敵な置物は!?一体誰が作ったんだい?とっても斬新で、ユニークじゃあないか!よし。あの置物を私の書斎に設置しよう!」

コビーは王様の宮殿に連れて行かれ、書斎に設置されてしまいました。

それからコビーは、王様の目を盗みながら食料を確保し、立派な部屋の中で生きていきましたとさ。


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