陳腐、狂おう。
幾千年の昔、その国の民は同じ夢を見ました。
何もない真っ白な空間
目の前には裸の少女が後ろで手を組んで立っている
そして小さな口をおもむろに開きささやく
「もし君に恐怖が無かったらどうする?」
とある冬。
世界を渡り歩く旅人がその国を訪れたとき、狂気を目の当たりにしました。
建物は廃れ。空気は濁り。空は泥。
瞳孔開き舌を出し。踊り狂う彼らはまるでピエロ。
かつてのこの地の住人だろうか。
狂う民は旅人に話しかけました。
「やさぐれまがいの猫の切符。彼方は微弱の音信か?」
旅人は何を言っているのか理解できませんでした。
「鉄砲の賞味期限は濃い耽溺!井戸と音頭のからぶき翼。王子の耳がハーフの証明ぜよ!」
「さあそこの陳腐。こちらへおいで」
旅人は狂う民に腕をつかまれました。
そして抵抗するも叶わず引きずり込まれて行ってしまいました。
その日、旅人は夢を見ました。
何もない真っ白な空間
目の前には裸の少女が後ろで手を組んで立っている
そして小さな口をおもむろに開きささやく
「もし君に恐怖が無かったらどうする?」
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