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骨釣り鹿角

幾千年の昔、とある男の子が川辺を歩いていると、お爺さんが釣りをしていました。

聞くと、名を鹿角というのでした。

「こんな汚い川に魚がいるの?」

男の子はそう尋ねました。

「魚を釣っているのではない。ほれ、この網籠の中を見てごらん。」

男の子は網籠の中を見るやいなや、腰を抜かしました。何とその中には、沢山の人間の骨が入っていたのです。

「こいつらはわしの戦友だ。遥か昔、この国が隣の国と戦争をしておった際に犠牲になった者たち。死んだ者は皆この川に捨てられたんじゃ。」

戦争に負けてから70年、ずっと隣の国の奴隷としてこき使われていた鹿角は、ついにこの国に帰ることを許され、仲間の骨を拾い集めていたのでした。

「どうか次は争いのない平和な世界に生まれ落ちますように。」

男の子も手を合わせました。



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