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上場企業PDハウスの不正請求問題


最近、介護業界で話題になったPDハウスの不正請求の問題。
パーキンソン病などの難病や末期がんの人を対象にした有料老人ホームで、過剰な訪問看護や不正な診療報酬の請求が相次いで指摘されている。

PDハウスの概略はこちら。

国の指定難病の一つ、パーキンソン病専門の有料老人ホームを各地で展開する「サンウェルズ」(本社・金沢市)。

サンウェルズは「PDハウス」という名称で北海道から熊本県まで老人ホームを約40カ所運営。定員は計約2千人。PDはパーキンソン病の英単語の頭文字だ。

社長の苗代亮達氏(51)が若い頃に大病を患ったことをきっかけに、2006年に前身の会社を金沢市で設立。ホームに併設する形で入居者向けに訪問看護と訪問介護のステーションも運営している。

ここ数年で事業を急拡大し、今年3月までの4年間で売上高は約5倍、経常利益は約13倍に増えた。社員は約2700人いる。今年7月には東証プライムに上場。医療・介護業界では注目株の会社だ。

あまり知られていないかもしれないが、有料老人ホームには「介護付き」と「介護なし(住宅型)」がある。

このPDハウスは「介護なし(住宅型)」。
介護サービスを受けたい時は、外部からのサービスを利用する事になる。いわゆる訪問介護や訪問看護のことだ。

PDハウスには、その訪問介護・看護ステーションが併設されている。つまり、サービスを使うほどに「サンウェルズ」が儲かる仕組み。ちなみにパーキンソンは指定難病なので、病状によっては入居者本人には医療費の負担はない。

医療保険による訪問看護の利用制限は、原則として1日1回、週3回まで。
ただし、パーキンソン病の医療保険優先(重症度などで区分がある)の場合は、1日3回や週4回以上の訪問が可能

※高齢者の訪問看護は、基本的には介護保険を利用することになるが、特定の疾患やがん末期などの状態によっては医療保険が適応になる。


「夜、看護師が1人で入居者さんの部屋へ行き、ドアを少し開けて、眠っていることを確認しただけでも『2人で30分訪問した』ように記録を書いて、報酬を不正請求しています」
このような訪問看護師の証言もあると言う。

パーキンソン専門施設を作ったのは、指定難病だから医療サービス使い放題、診療報酬請求し放題、パーキンソン患者は世の中にたくさんいるし、訪問看護も併設だから過剰にサービス入れたってバレないもんね〜。儲かってしゃーないわ!
ということですよね。ホント小賢しい。


この問題が世間に出る前に、実はうちのホームから、近くのPDハウスに転居した方がいた。
パーキンソンの専門医がいることや、もっと高度なリハビリが受けられる、と言う理由で転居された。  

パーキンソン病は症状が進むと、身体が思うように動かない、嚥下がうまく出来ない、言葉が出ない、認知症のような症状も出る。介護者に対して攻撃的になるパターンもあるから、対応は難しい事が多い。(もちろん穏やかに過ごせる人もいる。)

介護が大変なことは周知の事実なので、パーキンソンなどの難病を専門に受け入れるとは、なんて志の高い施設なのだろう。救われる人がたくさんいるんだろうなと、この問題が明らかになるまでは思っていた...まんまと騙されていましたね。性善説を信じている訳ではないけど、医療や福祉分野で倫理観を失ったら人として終わりですぞ。

転居したFさんは今頃、希望したリハビリは受けられているのだろうか。こんな話題が耳に入った家族はどんな気持ちなのか。
そして職員はどんな気持ちで仕事をしているのだろう。
タダでさえハードな仕事なのに、自分が働く場所を誇りに思えないのは不幸な事だ。

Fさん、不正請求の餌食になっていないと良いのだけど...



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