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老人ホームの居室に監視カメラをつける夫⑥ついにカメラは外された


この記事から始まった、監視カメラをつける夫シリーズが完結しそうです。

施設職員の誰かが、市役所へ「老人ホームの居室に、入居者の夫が監視カメラを取り付けている。これは本人に対する復讐だ。」という通報を匿名で入れ、その事実確認の電話が市の健康福祉局から施設に入った。

市としては「復讐」と言う言葉が出たことから、虐待に関連付けたようで、施設として虐待と認識するのか、虐待と認識するなら放置することのないように、区とも連携するように、という内容だった。
前回はここまで。

その後、区の担当職員が施設にやってきた。

当日、夫には区の職員が事実確認のために居室に入るが良いか、と打診したところ「居室に入るなら、区の担当から直接自分に連絡があるべきだ。」と入室を拒否した。

その為、居室のカメラ(3台)の位置を動画撮影して担当者へ見せての確認作業となった。

区の担当者と本人、ホーム長、担当スタッフが顔を合わせて話をした(本人は意思表示できないけど)
区の担当者はトイレにもカメラが設置されていることに驚き、排泄の様子を映して、外部から観察するというのは、羞恥心に配慮がなく人権尊重の観点からも問題だろうというコメントがあった。本当、おっしゃる通りです。

区の担当者とのやり取りはその後も続き、1ヶ月後、やっと本社の事業部担当部長から夫へ手紙が出された。


本件ビデオカメラ2台の設置については○年○月○日付けで「誓約書」により○○様(夫)と弊ホームで合意していた事を確認しました。もう1台については契約書の対象外である事も判明いたしました。

中略

誓約書から5年経過した今、本件是正指導を受けて、弊社で法令・リスク管理部等の関係部署で改めて検討した結果、いずれのカメラもご本人の排泄、清拭、更衣などの極めて重大なプライバシーを侵害し、以て虐待に該当し得る行為であり、ビデオカメラを設置しなければならない緊急かつ明白な危機が生じているなどの事由がない限りは、たとえ夫婦の関係である○○様のご要望といえども弊社として容認するべきではないと判断いたしました。

以下略

そして、期限を決めてカメラを外すように要求し、応じない場合は施設で外させて頂く旨が付け加えられた。

手紙を読んだ夫から施設に電話が入り「非常にショックだ。自分は最近心臓に不具合が見つかって、しばらくの間施設に行けない。」という事だったので、期限日にカメラは全てホーム長が外し、着払いで送り返したそうな。


やっと外れたーーーーー!


通報者が誰なのかは分からないが、市や区が動き、本社の重い腰を上げさせた。正攻法ではないとしても、よくやってくれた。

カメラの設置された居室でケアをしなければならないスタッフのストレスも緩和された。
本人も、話せないけどきっと安心したはず。

5年に及ぶ長い戦いだった。
妻や施設を自身の管理下に置きたい夫は、次の一手をどう出してくるのか...たぶん、まだ終わりじゃない。



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