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すごいスキルをお持ちです

ユマニチュードの研修を職場で実施した時のエピソードです。

うちの施設では、毎月の会議の際に「5分間研修」としてユマニチュード浸透のために研修を継続しています。

私は研修をする側なのですが、その日は講師担当ではなかったので、ほかの職員と一緒に研修を受けていました。

ユマニチュードの考え方としての「触れる」について、背中は鈍感だけど顔や手は敏感なので、急に触ると驚かれるので注意しましょうという様な内容です。

実際に職員が2人1組になって、背中をボールペンで触れて、これは1本か2本か?と背中の感覚の鈍さや手のひらの敏感さを感じとり、和気あいあいと研修は進みました。

研修の最後に質問を受け付けたところ、今月入職したばかりの40代男性(介護職)から質問がありました。

「資料に、飛行機が着陸するように触れる、と書いてあるが実際にはどういうことか。受け取る側のイメージは人それぞれだから、それが伝わらないと何も出来ないし研修の意味がない。」

場はしーんとしました。
質問内容は正しいと思いますが、口調がきつく、その言い方はちょっと...と空気がピリつきました。

講師担当だった職員はリハビリ職の50代男性でした。そんな空気の中、

「質問ありがとうございます。私たちも講師役に慣れていないので、分からない箇所を教えて頂けるのは本当にありがたいことです。私にとっても、他の職員にとってもイメージを共有できるキッカケを作っていただきました。ユマニチュードの教科書から引用しているので、確かに分かりにくい表現でした。申し訳ありません。」と前置きをしてから、丁寧に説明をしていました。

あんなに空気が悪かったのに、誰も悪者にせず、皆んながほっとした表情になってる。すごーい!

この対応力、素晴らしいスキルだと思いました。普段から入居者のリハビリのモチベーションをあげる為に工夫し、対応力を磨いているのがよく分かります。

研修を終えてから「さっきの質問の返答は素晴らしかったです。しびれました!」と伝えたところ「いえいえ、結果的によかったです。」と謙虚なお答え。

素敵なお手本が身近にある事を知りました。
私もピンチをチャンスに変えるスキルが欲しい!

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