ショートストーリー『肩越しに、こんにちわ〜』
あなたはこの世に
幽霊っていると思いますか?
僕はねー、
そんなものは実在しないと
思っているんですよ。
断言してもいい。
幽霊は、いない。
でも時々、
幽霊を見たって人がいますよねえ。
それも僕、本当だと思うんですよ。
でもやっぱり幽霊はいない。
これも本当です。
矛盾してますか?
ところがそーでもないんですねこれが。
つまり、
いないのに気配がする。
実在しないのに見えてしまう…。
それが幽霊なんだと僕は思うんですよ。
だって、ホントに存在したら、
いつでも誰にでも見えちゃうわけで、
それはもはや幽霊とは言えないですからね。
ん? 今あなたの肩越しに、
あなたのスマホを覗き込んでいる人…、
あいさつしてますが、
ご友人ですか?
あなたに何か言いたそうですよ。
振り向いて聞いてあげてください。
僕は少し待ちますから。
えっ? 誰もいない?
あれれ? おかしいなァ。
たしかに今、そこに見えたのに…。
いつもスマホばかり見ている人…。
あなたの背後から、
誰かが肩越しに覗き込んでいますよ。
僕には見えています。
肩、重たくないですか?
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