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睡眠ログをとってみよう
みなさんは睡眠の予定を計画していますか?
昼間の予定はきっちり予定表で管理している人でも,睡眠の予定を書き込んでいるという話はあまり聞きませんね。
睡眠の記録(睡眠ログ)を取ってみると,今まで気づいていなかったことが明らかになるかもしれません。
睡眠ログとは
古典的には睡眠日誌と呼ばれる,自己記入式の記録を取る方法があります。眠れなくて困っている人は,図に示すように眠っていた時間と寝床にいたけれども眠れなかった時間を区別して記録するとよいでしょう。
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曜日に合わせて生活している人が多いと思いますので,1週間分の記録をとることで,自分の癖をつかむことができるでしょう。土日に朝寝坊をしがちであるとか,テレワークの前日は夜更かしをしているといった特徴を自分で確かめることができます。
最近ではスマートウォッチ(の加速度センサー)を利用して睡眠・覚醒を判定するといった機能がアプリとして提供されているものもあるでしょう。精度についてはそれぞれではあるのですが,眠れなくて困っている人は一度試しにやってみるとよいと思います。多くの場合,自分で眠れなかったと思っている時間も,実は客観的に見れば眠っているということに気づくはずです。1〜2時間しか寝ていませんと言う人は,だいたい4時間くらいは眠っています。
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睡眠時間を確認しよう
自分が何時間寝ているのかという数値についても,自分が考えている寝ようとしている時間,実際に眠れたと思っている時間,客観的に記録された眠っている時間にはズレがあります。
これについても1週間の平均をとって振り返ってみるとよいでしょう。スマートフォンで記録が閲覧できる場合は,週ごとに振り返ることで,睡眠時間が不足していた時期などを見直すことができるでしょう。
睡眠のリズムが規則的かどうかも注目するポイントです。1週間を見渡して,とくに起床時間にズレはありませんか。平日と休日であってもズレが2時間以内におさまるようにすると,体内時計が不調を感じることがなくなり,睡眠の質が上がることでしょう。
睡眠時間を計画しよう
ここまでで,自分にとって必要な睡眠時間,適切な起床時刻を見直すことができるかと思います。必要以上に早い時間からスヌーズボタンを押し続ける必要はなく,自分が起きやすい時間に目覚ましをかけるとよいでしょう。
目覚ましをかける習慣はあるけれど,寝床に入る時間を計画している人は多くありません。タイマーをかける必要はないかもしれませんが,夜更かししやすい傾向があることに気づいた方は,寝る準備をするための時間を設定しておくとよいでしょう。
iPhoneにはヘルスケア機能の中に「睡眠スケジュール」という設定があり,睡眠時間を計画しておけば,事前に通知するように設定しておくことも可能である。「おやすみモード(Do Not Disturb)」も併用すれば,余計な通知を切ることもできます。
寝床に入る時間から逆算して,入浴する時間,夕食を終える時間,お酒を飲む場合にも何時までにするといった計算をしておくと,リラックスした気持ちで寝床に向かうことができるでしょう。
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夜の自由な時間くらい,好きにさせて欲しいと思う人もいるでしょう。でも自由に過ごした結果として,深夜になって寝床に向かうとき,あるいはリビングのソファで目覚めたとき,スヌーズボタンを押し続ける朝を迎えたときに後悔することになるわけです。
まずは試しに記録をしてみましょう。記録を続けていくと,中にはよく眠れた日,元気に過ごせた日というのが出てくるはずです。自分の体に合った解決法がきっと見つかることでしょう。