【家コミュ関東 交流会】
皆さん こんにちは
スタジオアネッロの冨田です。
住宅実務者(設計や工務店、大工など)に加え、各種メーカーなどが横のつながりや情報交換、勉強会を行うための有志の集まりが【家コミュ関東】です。
M’s構造設計の佐藤実さんが主宰しております構造塾で学んでいるメンバーが主催しております【家コミュ関東】
構造塾のコンサル会員(構造計算を内製化するための実務に沿った勉強会)でもある私はこちらのも顔を出しておりまして、11月29日は交流会がありました。
今回の勉強会のお題は、
『未来の温熱環境 ~環境塾ってどんな塾?~』
環境塾は、東京大学 前研究室が主催し、M’s構造設計がサポートしている今年度からスタートした大学と実務者が集まる勉強会です。
実務者は広く全国から募って、今年は少数精鋭で行っております。
今回は、M’s構造設計の事務所をお借りして、開催されました。
勉強会登壇者は、設計事務所maaoを主宰している荒木牧人氏と私でした。
~能登半島地震後の今~
勉強会を開催する前に、会の主催者である株式会社evoltz 早川浩平氏が、能登半島の震災後の現地の状況を報告。
未だ瓦礫の多く残り、復興が進まない現状を説明してくれました。
耐震性の重要性、建物の倒壊が避難する経路をつぶしてしまうなど、地震被害の実態と、これからの耐震性能について考えさせられる内容でした。
~環境塾の今までの活動報告~
その後は、一緒に環境塾に参加しているM's構造設計 高中さんからの環境塾の内容をお話しいただきました。
しっかりとまとめてある資料を元にお話しいただいたので、内容的には十分すぎる説明でした。
~maao荒木さんの感じる環境塾~
maao荒木さんのお話は、過去の自分、環境塾で学んでいる今、そして未来を見据えたお話でした。
ご自身の設計事務所のほかに、3つの事業を営んでいるバイタリティのある荒木さん。
トークの面白さもありながら、住まいや設計に携わる人としての熱さ、とても心を打たれます。
意匠設計を行い、構造塾で構造を学び、環境塾で環境設計・省エネ設計を意欲的に学ぶ。
最終的なご自身の原動力となる目標は「ヒートショックを無くしたい」でした。
このような熱い想いが少しづつ広がり、少しでも良い家が増えるといいですね。
さて、最後は私の番です。
~環境塾で学んで考えたこと~
高中さんの十分な説明、荒木さんのお話でかなり内容が説明していただいたので、私はかなり短めのお話になりました。
私は、今でこそ意匠設計をやりながら、木造住宅の構造計算、外皮計算・一次エネルギー消費量計算を行い、長期優良住宅や設計性能評価申請までも一貫して行えるようになりました。
なぜ、ここまで性能にこだわった設計をするようになったんだろうと振り返ってみることが、何か新しい気づきになるかなと思い、発表しました。
1.中学2年で建て替えられた実家がとても寒かった
2.阪神淡路大震災での倒壊した高速道路が衝撃的だった
→ちょうど高校で進路を決める時期だった記憶があります
3.最初の就職が高気密高断熱のハウスメーカーだった
4.設計事務所で省エネの知識を得ないと出来ない業務をやることになり、
独学した
5.断熱性能の高い家がいいなと思い始めた時に参加したパッシブハウス
ジャパン主催の熊本地震セミナーでM's構造設計 佐藤実氏と出会った
6.松尾設計室 松尾和也氏 M’s構造設計 佐藤実氏 ハウゼコ 神戸陸史氏
高気密高断熱×構造×耐久性セミナ―をよく聞く機会があった
このあたりが私を高性能であることが当たり前と思うようになったキッカケではないかと思いました。
そして、私も結婚し、子供が生まれると、寒さを我慢していた賃貸も気になるようになり、
入浴後、服を着ずに脱走する息子を追いかけ、身体が冷えてしまう自分や妻
家族の為に、
・夏暑すぎず、冬寒すぎない家がいいな
・地震が来ても、家族を守れ、避難所に行かなくて良い家がいいな
・家が倒壊しなければ、思い出のたくさん詰まった物も守れるし、
ゴミも出ないから環境も守れる
そんなことを思っていると、
高性能な家を広めていくことは、
「家族、家、財産、地球 そして 未来の子供たちを守れる」
と思ったのです。
これが私が高性能な住宅を設計したいと思った流れです。
そして、2023年12月23日にM’s構造設計から「環境塾」のお誘いがありました。
興味を持った理由が、
「構造・環境・意匠を一人で(自立して)解ける設計者を増やす」
というコンセプトだったからです。
解けるというところが私のポイントでした。
実際、環境塾では、
・設計時の温熱シミュレーションと実測による設計の整合性
・Ua値に頼らない温度環境設計
・最適化設計をするための数値比較
・換気、空調計画
・様々な講師による講義
・3DCADを使った温度・空調・日射シミュレーション
・世に広めるための8合目の環境設計
などの話があります。
1年目であることから、カリキュラムがあるわけでもなく、
手探り状態の学びではあります。
『塾』というと、答えを教えてもらえる場所?なんてイメージがありますが、答えはありません。
答えはそれぞれの受講者の中にあるのではないかと私は思っています。
設計事務所、ハウスメーカー、工務店、大工
地域も立場も違う人が同じ答えの環境設計にたどり着くものではないと思います。
たくさん学び、自分なりに消化して、そこから課題を見つけ、
自分の正しい・やりたいという答えを見つけ、
それに向かって行動する
これが、今私が感じる『環境塾』です。
今のところ私は、東京、神奈川の設計が多いため、
日射取得が少ない(ほぼない)狭小地、斜線が厳しい、吹き抜けが無い、半地下、ビルトインガレージ付のような家がほとんどです。
これらを安全で快適に暮らせるような性能を持った
誰もが手に入れやすい8合目の設計のベースが作れたらいいなと思っています。
そしてそれらを広めていけることが出来たら、最高なんじゃないかと思い、
これからの活動を進めていきたいと思っています。
うまく文章がまとまり切っていないと思いますが、また少しづつ書いていければと思います。
株式会社スタジオアネッロ
冨田雅之