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カザフスタンとロシアの関係について
カザフスタンとロシアとの関係を考えようとする上では、
まず旧ソ連のときの状況から掘り下げる必要があるかなと思いました。
旧ソ連時代、カザフスタンはソ連の構成国でした。
当時は核実験場や、宇宙基地がつくられたほか
エネルギー資源が豊富なため、それらの開発も行われていました。
ソ連崩壊後は、カザフスタン共和国として独立しました。
当初から、ヌルスルタン・ナザルバエフという人が
カザフスタンにて実権を握っている状況が続いていました。
国民投票も行われ、国民投票も行われ、それによって選出されているというところも
ありますが、
野党の指導者が暗殺されたこともあり、まだ言論の自由という観点では課題もありそうです。
2022年1月には、液化天然ガスの上限価格を撤廃した結果、次の日には液体天然ガスの価格が2倍になり、カザフスタンでは液体天然ガスが自動車の燃料として利用されていたこともあり、生活に対する大きなインパクトがあったようです。
そういったところもあり、こういったことに対して抗議する反政府デモが起こりました。
カザフスタン政府は、この抗議の鎮圧をはかったようですが、自力ではできず、
主にロシア軍で構成されるCSTO(集団安全保障条約機構)にデモ鎮圧の要請を行い、
ロシア軍が出動したようです。
こういったところを踏まえると、少なくとも政府(ナザルバエフ氏に代わり、大統領であったカシムジョマルト・トカエフ氏が実権を握っているようです)は親ロシア的な方針をとっていたように見えます。
しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻あたりから対ロシアでの方針は変わってきているようで、ロシア側の参戦要請には応じず、親ロシア派が独立を宣言し、ロシアが承認した国家の承認も拒否しているようです。
さらには2022年8月には隣国のキルギス・タジキスタンと一緒に、米国などと共同軍事演習を行なったようです。
現時点で、ロシアはウクライナに矛先がむかっているわけですが、
ウクライナでの動向がひと段落した場合、その矛先がカザフスタンに向く可能性もあります。
その場合、ロシアへの依存度が高い状況を脱却するのか?
それともNATO陣営と組むのか?
というところについては、チェックする価値はあるのではと思っています。
実際、KASPIというカザフスタン最大のIT企業の筆頭株主はロシア資本のようです。
https://ir.kaspi.kz/governance/shareholders/
さらには、自力で自国のデモを鎮圧できなかったところも、尾を引く問題になるかもしれません。