小説(ショートショート)「雪溶け」
今月のテーマは「江戸時代の読書会」です。
良かったら読んで見て下さい!
蝋燭の火が煌々と灯っている、照らされた室内では幾多の本が積み上げられ絵巻物も散見される。
刻は亥の刻あたりであろうか、ここは江戸の一角の長屋である。
光が漏れぬよう扉や戸板の隙間に藁などがつまっていた。
「ようこそお越しになりました、今宵も鉄棒ぬらぬら先生の『蛸と海女』など色々な作品を堪能致しましょう。」
主催の男があまり大きな声にならぬように気をつけながら声を発する。
天保の時世となり、贅沢品の禁止令