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【らんまん】明治17年の最新植物図譜

牧野富太郎が東京大学の植物学教室に出入りし始めたのは明治17年ですが、この頃、画期的かつ美しい植物図譜が生まれています。それがこの『小石川植物園草木目録』です。

小石川植物園の植物たちが、美しく精密な石版印刷(+手彩色)で描かれています。和名だけでなく学名が記されているほか、分類学上重要な、おしべ・めしべの形など、形体的な特徴を捉えた分図が掲載されているのも近代的・科学的な点です。

明治14年から19年までに3巻が刊行されています。1巻の価格は6円とあります。ドラマで万太郎が住んでいる長屋の家賃よりもだいぶ高いですね。

編者として名前を連ねている伊藤圭介・賀来飛霞は江戸時代から活躍していた本草学者です。当時伊藤は80歳近く、賀来飛霞も65歳くらいでしょうか。江戸時代にシーボルトからフロラヤポニカを贈られ、西洋の植物学を導入し、初めて和名と学名を対応させたのが伊藤圭介。牧野富太郎も長生きですが、伊藤圭介は97歳まで生きています。

なお、この図を実際に描いたのは加藤竹齋という人物です。小石川植物園はこの当時東京大学の組織の一部ではありますが、植物学教室との交流はそこまで強くないのか、ドラマには出てこなそうな雰囲気ですね。
明治30年になると、小石川植物園内に植物学教室が移転するようですが、ドラマではまだ先の話です。その頃は、松村任三(ドラマの徳永)の分類学と、三好学(ドラマの波多野か藤丸の可能性あり??)の植物生理学教室があったようです。

全ページを国会図書館が公開してくれてますので、ぜひご覧ください。

 NDLイメージバンクの各拡大画像から、国立国会図書館デジタルコレクションにリンクすると、画像以外の解説のページも読めます。


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