北九州市立くきのうみ小学校校歌制作
2月5日のCROSS FM『冨永裕輔のなんでもゆーすけ!』でも発表させていただきましたが、改めてnoteにてご報告させていただきます。
2022年4月開校の北九州市立くきのうみ小学校校歌を制作させていただく運びとなりました。
北九州市に育ち、2002年に歌手を目指して上京した時から、「いつか故郷に歌で恩返しがしたい」という夢が大きな原動力のひとつでした。
その「恩返しの歌」というものが何なのかということは、この20年間で常に心の中で自分に問いかけるテーマでもありました。
それは短期的な視野ではなく、何十年後、何百年後も残り、歌い継がれ、そこに生きる人達に良い影響を与え続け得る普遍的な歌でこそ、本当に意味があり、価値があると思うに至りました。
そのためには、脈々と続くその街の歴史を掘り下げ、それはつまり人類の歴史を掘り下げることであり、人間と向き合うことであり、自然と向き合うことであり、それは生命と向き合うことでした。そうして初めて、未来永劫にまで届く歌が誕生し得ると。
そのテーマと対峙する中で生まれたのが「ひまわりの花」をはじめとする、数々の作品だと思っています。
今まで自分が恩を受けた人に可能な限り恩返しをするとともに、もう直接は恩返しできないこともある。その恩は自分がしてもらったように、次の世代の幸せな未来のために恩送りをするということも意識するようになりました。
具体的には、子どもたちが毎日生き生きと暮らすことができ、未来に希望を持ち、その夢を実現していけるよう、歌でメッセージを届けていくということです。
そのような音楽活動は、学校での夢授業やライブとなり、今では北九州スクールコンサートを毎年務めさせていただくようになりました。
そして、2017年、北九州市立ひびきの小学校の開校に際し、ぼくにとって初めてとなる校歌「その名ひびきの」を制作させていただきました。
校歌というのは、まさに上京の時に誓った夢そのものだと思います。また、歴史を掘り下げ、未来永劫まで届き、残る、自分がアート、歌、作品に課し、追求し続けた普遍性あるテーマそのものです。
そのような場面で必要とされる、代わりのいないアーティストになることは、自分がたどり着くべきアーティストとしての一つの到達点だったようにも感じます。
校歌は歌われる度に、子どもたちの生活に寄り添い未来への希望となれるとともに、永遠に歌い継がれ残っていきます。
歌にはその人やその場、そのチーム、その空気を象徴する重要な意味合いがあり、子どもたちの無限の未来に貢献できる可能性があると思います。
くきのうみ小学校は、古前小学校と修多羅小学校の統合により開校する学校です。
日本の人口は今後も減り続けることは避けられない状況であり、各地で統合の動きは出てくるかもしれません。
しかし、そこに前向きな希望を感じ、子どもたちがキラキラと輝く気持ちで日々を送れるよう、多くの方々の願いを歌に込め、制作します。
子どもたちが新しい校歌を歌う度に明るい気持ちになれるように、先生方やご家族、地域の方々と笑顔で安心して楽しく学校生活を送れるように。
古前小学校、修多羅小学校の長い歴史に携わられた多くの卒業生や関係者の方々の想いを繋ぎ、新しく始まるくきのうみ小学校の未来へと、歌を繋いでいきたいと思います。
4月の開校以降、ラジオでも紹介させていただきたいと思いますので、新しい校歌を楽しみにしていてくださいね。
(写真は『ぐるりっち北九州』公式写真より、くきのうみ小学校が開校する北九州市若松区の風景を引用)