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【都議に聞く】Vol.2 後藤なみ政調会長は子育てに奮闘する、庶民派の若手政策リーダー


取材日:2023/9/20


都民ファーストの会東京都議団の政調会長でありママでもある後藤なみ都議

🗒今回ご紹介する後藤なみさん
1986年生まれの37歳。足立区にて夫(35)、長男(5)との3人暮らし。リクルートにて介護やシニア関連の新規事業立ち上げを経験し、妊娠5ヶ月で2017年東京都議会議員選挙(足立区選出)に初出馬、初当選、現在2期目。2022年11月より都民ファーストの会 東京都議団の政務調査会長。


結婚資金を選挙資金へ。妊娠中に家族で挑んだ一大チャレンジ

〜政治を変えたい、働き方を変えたい、イメージも変えたい、私が変える!〜

コマダ🌱 はじめまして!今日は、同じ年齢の子どもを持つ親として、後藤さんが日々子育てしながらどのようにお仕事をされているのか、また、今話題の政策「018サポート」実現の裏側など、同世代の働く母目線でお話をお伺いできればと思います!

後藤なみ🎤 よろしくお願いします!私は議員になる前にリクルートという企業で、人材領域から介護業界を変えていきたいという強い想いで仕事をしていました。しかし介護離職や介護職員の人材不足など社会問題が深刻化する中で、一個人や一企業では社会保障や制度を根本から変えていくことが難しく、これからどうするか、自身のキャリアも迷子になりかけていたんです。そんな時期に、たまたま街頭で小池都知事の「東京大改革」の演説を聞く機会があり、私の課題は政治で解決できるかもしれない、そう思ったのが政治に関わるきっかけです。

リクルート勤務時代の後藤さん

後藤なみ🎤 そこから希望の塾(小池知事主宰の政治塾)に入って。当時、会社員を続けるか、はたまた介護分野で起業するか迷っていた私が、どちらの選択肢でもない「政治」から社会を変えていきたいと思うようになったんです。ちょうど2017年の選挙のタイミングで妊娠5か月ということもあり、リスクの伴うチャレンジではありましたが、東京が大きく変わる中、私がやらなきゃ誰がやる?という決意で、2017年に挑戦を決めました

コマダ🌱 妊娠しながら出馬に挑戦とは相当な気合いを感じます。旦那さまは、後藤さんの挑戦に対してどのように捉えていらっしゃったんでしょうか?

後藤なみ🎤 良いことも大変な事も含めてよく話合い、最終的には賛成をしてくれました。実は結婚式を保留にして、結婚資金を選挙資金にすることも含めて出馬に協力してくれたんです。一番近い存在のパートナーが、思いに共感して協力してくれたことは大きな力になりましたね。

妊娠中の街頭演説に小池百合子都知事が応援弁士として訪れた/協力してくれるパートナー

コマダ🌱 ご夫婦で一丸となってチャレンジされたのですね。実際の選挙やその後はいかがでしたか?政治家の方ってお休みがあまりなくて体力勝負のイメージがあり、妊娠中や産後はとてもしんどいような気がします・・・。選挙のために結婚式を諦めたということですよね?

後藤なみ🎤 あ、いえ結婚式は、最近になって挙げましたよ!時期をずらして、家族だけの小さな式にしましたが、息子にはリングボーイをしてもらいました。実は、子どもが生まれてから「24時間戦う」ことを求められる政治家のあり方についても、変えていかなければいけないと思うようになりました。子どもを育てていると、朝晩の子どものケアから夜間授乳などもあり、早朝や夜間に働くことは中々難しいですよね。社会では働き改革が進み、子育てや介護と仕事の両立が進む中、政治の世界だけが昭和のまま取り残されていると痛感しました。私にとっては、政治家としての自分も、母としての自分もどちらも疎かにすることはできない。だからこそ、24時間働けなくても、等身大の姿で成果を出していくロールモデルになりたいと思っています。

結婚式にてリングボーイをするお子さん

「24時間戦わない働き方」を自ら模索しながら

〜都議と政調会長、どちらのイメージも一新する家族ぐるみのチャレンジ〜

コマダ🌱 働く母は、産前とは異なるライフスタイルを模索しながら日々戦っていますよね。実際、子育てしながらのお仕事はいかがですか?普段のスケジュールはどんな感じなのでしょうか?

後藤なみ🎤 都民の皆さんと対話する機会を持ち続けるため、週に2回ほど朝に近隣の駅で街頭演説をしています。保育園に間に合う時間に街頭演説を終わらせて一度家に戻り、息子を送っていってから都庁へ向かいます。日中は打ち合わせが10〜20件くらい入りますが、18時半に息子を保育園に迎えに行かなければならないので、夕方が近づいてくるとそわそわしてしまいますね。いつも駅から大急ぎで走って、滑り込みでお迎えに間に合う…なんてこともザラです。今でこそ夫婦で阿吽の呼吸ですが、出産直後は家事も育児もなかなか慣れず、エクセルやホワイトボードを駆使して掃除やゴミ出しなど役割分担して、必死にいろいろ試していました。

コマダ🌱 うわぁ・・・すごく大変そうです。お聞きしただけでも十分忙しそうですが、さらに子どもってすぐ熱出しませんか?保育園からお迎え要請の電話がかかってきた時の辛さは子どもを産むまでわかりませんでした。予定の調整は、周囲に申し訳ない気持ちになってしまいます。

後藤なみ🎤 そうですよね!うちも同じです。それでも、なんとかするしかないんですよね。一昔前の働き方と比べると、ずいぶん理解も得られてきたように思いますが、それでも埋め合わせを夜中にしなければいけないこともあります。なかなか余裕のある生活というわけにはいきませんが、私も皆さんと同じように日々模索中です!2022年からは都民ファーストの会東京都議団の「政調会長」の役割も担っていますが、ベテランの方が就く政調会長のイメージも変えていきたいと思うようになりました。

早朝街頭演説の様子

コマダ🌱 たしかに「政調会長」と聞くと、60歳?70歳?それ以上の大ベテランというイメージがあります!若き女性政調会長として取り組まれる中で生まれたのが、9月に申請開始した「018サポート」ということですが、こちらはどのような政策でしょうか。

後藤なみ🎤 東京都に住む子どもであれば、誰でも所得制限なく1ヶ月あたり5000円支給されるもので、いわば「東京都版・子ども手当」ですね。2023年12月15日までに申請していただくことで、2024年1月に1年分を一括支給する仕組みです。申請はオンラインでも可能で、申請者やお子様の本人確認と振り込み口座の確認ができれば手続きが完了します。18歳までのお子様がいる保護者の皆さまにはお手続きをお願いしているところです。

後藤なみ🎤 ところで駒田さんのご自宅にも、9月の中旬頃にお子様宛の封筒は届きましたか?

コマダ🌱 届きました!我が家には2人子どもがいるので2通の封筒が届きました。

ライター駒田の自宅にも届いた018サポートの案内封筒

国政に期待できないなら、都政から変えていけばいい

〜庶民感覚とスピード感を持って、等身大の気持ちを都政に〜

コマダ🌱 この政策、とてもありがたいのですが、そもそも検討することになったきっかけは何だったのでしょうか。

後藤なみ🎤 これまで国から給付されていた児童手当の特例給付が、2022年10月に所得制限の壁ができたことで、対象者への給付が廃止されました。我が家にも通知が届いて、絶望的な気持ちになったんです。調べてみると、都心の区では約半数の子育て世帯の特例給付が消滅していました。なんとかしなければと思い立って、代わりになる政策を約1年で実現しました。ただ、事業規模が年間約1,200億円と都政最大となり、調整に調整を重ねて、かなり険しい道のりでした

コマダ🌱 1年で実現ってすごくないですか?さまざまな政策がある中で、実現するまでの流れやご苦労を教えてください。

後藤なみ🎤 「1,200億円もの財源をどこから持ってくるんだ」という議論になり、「赤ちゃんや子どものためにそんなに金を使うのか」「他をつぶすのか」という声との戦いでした。それでもめげずに、都民ファーストとしてやりたいことは必ず達成しようと努力して、説得を重ねてここまで漕ぎ着けました。

コマダ🌱 きっと政策の実現に向けて、想像を超えた大変さであったのではないかと思います。でも、きっとこれって、実現して終わりではないですよね。今後のビジョンをお聞かせください。

東京都議会で質疑する後藤なみ都議

後藤なみ🎤 「018サポート」は2023年度だけでなく、これからも継続して予算を確保していきたいと思ってます。もちろん他の政策もどんどん進めていきます。私は生活者の感覚を大事に、等身大の都民として政治活動を続けていきたいので、どんな方でもいつでも気軽に声をかけてほしいと思っています。

コマダ🌱 あ、ではせっかくなので一つ。この「018サポート」、私の場合オンライン申請で、2人あわせて20分くらいで完了したのですが、ご近所のママ友やパパさんからは「途中でダウンロードしたアプリが邪魔だな」「電車でパパっとできるかと思ったら無理だった」など、ネガティブな意見も聞きましたのでお伝えしておきますね。

後藤なみ🎤 申込手続きの煩雑さについては多々お声をいただいており、先日の議会でも早速改善策を提案し、東京都としても早急改善していくこととなりました。暮らしと政治に乖離があると感じた部分はどんどん変えていかなければいけないと思っていて、今回の政策に限らず、お気づきの点があれば、駅でもSNSでも、どうかお気軽に声を届けていただければと思っています。ちなみにこの政策は、2023年1月に小池都知事が「018サポート」の概要を発表したのですが、翌月に岸田首相が児童手当の所得制限撤廃を検討すると発言しました。東京都が先駆けて政策を実現し、国が動いたと実感した瞬間でした。

コマダ🌱 スピード感を持って、子どもたちのために財源を確保し、踏み切っていただけたことにとても感謝しています!最初から完璧を求めていては何も進んでいかないので、細かい手続きは微修正しながらでも、どんどん子育てしやすい環境になっていくことを期待しています!

後藤なみ🎤 分厚い岩盤に少しずつ穴を開けていく感覚ではありますが、やりたいことをすべて達成していきたいと思っています!これからもがんばります!!


🗒さいごに

熱意と生活者視点を持ち合わせた後藤さんのような方が、子育てをしながら政策もどんどん進めていく姿は、新時代の政調会長のイメージそのものとなりました。仕事も家庭も諦めない働き方が実現できたなら、「私も子育てしながら挑戦してみたい」と思う未来の議員候補が挑戦するきっかけになるかもしれませんね。これからも等身大で庶民感覚をもった都議会議員として、応援します!後藤さん、どうもありがとうございました。

後藤なみ都議(左)とインタビューアーのコマダ(右)

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WRITTEN BY  駒田みさき
NPO法人tannely 所属ライター
渋谷区恵比寿在住。夫、5歳長女、2歳長男を育てながら、恵比寿エリアでお困りごと相談窓口「ふくみみ」の相談員として活動中。新卒より金融機関本社、大手デベロッパーなど10年間会社員を経験し、現在フリーランスとして複数の事業に従事。