“言葉のチカラ“を育てた2つの習慣
「記事、書いちゃいなよ」
接客業から転身し、はじめてのオフィスワーク、そして、興味があったWeb制作の仕事。すべてに“ワクワク“していた入社初日、上司に声をかけられた。
私がはじめて書いた記事は、御茶ノ水にあるイタリアン。まさか、入社初日のランチのお店の記事を書く日が来るなんて思ってもいなかった。
はじめて書いた記事のこと
「東京に眠るいいスポットを、歴史とともに伝える」
私が最初にいた編集部は、寺社仏閣や老舗のお店など、東京の古き良きスポットを紹介するWebメディア。100年続く老舗の定食屋さんや、寺社仏閣、建築物などを取材した。
そのイタリアンは、特に老舗なわけではなかったけれど、地域にひっそり佇む一軒だったので、取材先として上がったそう。
はじめて書いた記事は、全然ダメダメだった。「コスパがいい」や「おいしい」を本文中にたくさん盛り込みすぎて上司に赤を入れられた挙句、タイトル3案提案するのに半日かかった。
でも「未経験の割には、早かったし、よく書けてたよ」と、上司にあとから褒められた。今も“書く“仕事を続けているのは、このときかけてもらえた言葉が嬉しかったからかもしれない。
毎日ひたすら読んでいたら、自然と“書ける“ように
振り返ると、私の“書く“チカラは、読書と接客業の経験で育まれたのかも、と思う。
小学生の頃、毎日のように図書館に行って、ミステリー小説を片っ端から読んでいた。大学生になると、近所のブックカフェに週3で通い、雑誌と自己啓発本を読んでいた。
好きだったのは“雌ガール“や“おフェロ“などのトレンドを生み出したar。メイクやファッションページも好きだけど、なによりも楽しみにしてたのは作家さんのコラム連載。一言一句逃さず読んだ。なかなか変わった女子大生だったと思う。
毎日のように“読む“ことをしていたから、未経験でも“書ける“ようになったのかもしれない。
表現力を育ててくれた接客業
スタバ時代に取り組んでいたのは、毎日コーヒーを飲み比べしてメモすること。
ナッツのような香ばしさ、柑橘のような爽やかさ、大地のような力強い味わい…など、毎日ノートにメモすることで、表現の幅が広がった。
「酸味」を「爽やか」と言い換えると印象が変わるし、「苦い」を「コク深い」と表現するだけでコーヒー豆の売上も変わる。それくらい、接客業でも言葉のチカラは大きかった。
下手でもいいから、自分の言葉で表現する。そう思えるようになったのは、スタバ時代の経験があったから。一見関係なさそうに見える接客業も、意外とつながっていたんだなと思う。
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はじめて記事を書いた日から、5年が経った。
今振り返ると、最初に書いたあの記事は、写真も下手だし、文章だってダメダメだ。
でも、文章うまく書けなくても、写真がうまく撮れなくても、読者がなかなか増えなくても。毎日続けて自分なりの書き方を見つけたから、ここまで来れた。
落ち着かない世の中で、突然訪れたデジタル中心の世界に戸惑う人も多いと思う。でも、こんな時だからこそ、言葉のチカラを信じて。まずは公開することからはじめてほしい。
最初は無風でも、見ててくれる人は絶対いるから。
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