DAOのトークンについて
とても大雑把ですが、まさ〇ん氏からの要望もあり作成しております。
解像度的には、まだガッカリレベルだとは思いますが基本的には本記事の応用と、投票の仕組みにの加重平均的なバランス、そして投票結果に対するインセンティブとリスクの設定、を行うことで、最適なエコシステム設計ができるのではないか・・・
と考えております。
※トークンの使いみちやユーティリティ、アルゴリズムの設定などには触れてません
複数種類のトークン設計
現在のDAOに関して、そのDAOに対する発言権や議決権を持つガバナンストークンの役割について色々と考えてみて、複雑な権限と責任、権利の問題に対して、少数のトークンだけでこれらの環境を描くのは現実的ではないと考えています。
既存の価値観や価値基準として使用されている資産や金銭に関しても、その形は様々で【現金・有価証券・債権】などによって、資産に関する権利や権限を描いているのに対して、より複雑な組織をプログラムによって描きなおす初期段階で、一つにまとめることは不可能。
技術や環境、価値観の醸成が進む中で、複雑で煩わしい複数トークンの仕組みは統合されていくと予想されますが、現時点では一つ一つのトークンの役割をシンプルにし、その組み合わせによって組織運営の権限・権利に落とし込むことが望ましいと考えています。
ガバナンストークン
ガバナンストークンは、その名の通り
『組織のガバナンスに対し影響力を持つトークン』
という位置づけで存在させ、その種類は大分類で3種類とする。
また、それぞれのガバナンストークンが本来持つ権限や権利に関しては、コミュニティートークンとの相乗効果によって、その機能を発揮する設計とする。
ガバナンストークン
•お金で買えるガバナンストークン
•活動で手に入るガバナンストークン
•特殊ガバナンストークン
投資や貢献活動のバランス調整が行われない限り、既存の価値観や価値基準の変化は起こらない。
そして、それが起こらないトークンエコシステムやDAOなどには、特別な存在意義はなく、新たなビジネスチャンスとして活用するだけの既存経済システムの延長にしかならず、自律分散的な環境も価値分配の再定義も起こらないと考えています。
以上を踏まえ、これまでの
【投資家:活動者】
大雑把に分けた2つの立場を例に、既存の価値基準によって分配されてきた要素をザックリ分解すると
投資家⇒資金提供をする
活動者⇒価値創造をする
という環境に対して
みたいなことが、各組織ごと起こっている環境で、この環境に対して問題提起をしたとしても、既存組織の構造上
『活動者の意見は参考にするが、最終決定の権限者が決める』
という構造となっていて、権限が活動者に分散されていない現在では、全体最適化に向く意思決定の構造になりにくい・・・という状況。
大きく分けた
・権限・権利・リスク・価値創造
に対する分配率を再定義し、バランス調整を行うことが、新たなエコシステムやDAOが存在する意義であると考え、複数トークンを用いたエコシステムを模索しています。
各トークンの役割
1,ガバナンストークン3種
・お金で買えるガバナンストークン
文字通り、資金提供(投資)によって入手可能なガバナンストークン。
購入目的は様々で
・組織内での議決権と発言権を保有
・組織全体の発展による投資リターン
・組織の発展によって恩恵を受けられる人
などだが、このトークンは既存の株式に近い機能であり、このトークンに対しての権利や権限は、
【限定的or条件がそろわないと権限発動しない】
という設計にするのが望ましいと考えています。
•活動で手に入るガバナンストークン
こちらも文字通り、活動者が活動によって入手可能なガバナンストークン。
活動の証明や活動内容によって貢献度を算出し、一定以上の貢献を組織に対して行った証明書と引き換えにガバナンストークンと交換できる仕組みとする。
証明の仕方は、後述する『ガバナンストークン変換型リワードトークン』とし、このガバナンストークンに対しては、一定の条件によって通常のガバナンストークンよりも強い権限や権利が発動する設計とする
•特殊ガバナンストークン
DAOが行う活動下で、組織外だが関連がある人に対し、限定的な権限を付与したガバナンストークン。
例)地域復興などをDAOで行う場合
①投資家
②活動者
③その地域の人
という、活動者ではないが影響を受ける存在がいる。
それらの存在に対し、既存の権限構造によってそのまま運営を行っていくと、純粋な環境改善や、効率的かつ本質的な活動要請としては弱いと考えているため『第三者機関』の位置づけとなる特殊ガバナンストークンを設計する。
なお、必要に応じで、各ガバナンストークンの中でも機能や役割、権限の重さなどを細かく分けて発行していくことも可能な状態とするが、一つ一つのトークンがシンプルでありつつ、多くなりすぎて仕組みが複雑にならないことを心掛ける必要がある。
2,コミュニティトークン
•ユーティリティトークン
金銭で購入できて、各報酬受け取り権利や、保有することによって得られる特典を受けることができるトークン。
ガバナンストークンとの違いは、議決権など組織に対する権限を持たない、報酬などメリット受け取りのみのトークン。
※転売可能、コミュニティ内での価値交換可能、変更機能なし
•リワードトークン
通常のDAO活動において、貢献に応じて受け取れるトークン。
各活動に対して、貢献とみなされる活動内容が設定され、全体に透明化されている環境を実現し、貢献に応じた報酬としてスマートコントラクトにより自動的に発行する。
※転売可能、コミュニティ内での価値交換可能、変更機能あり
•ガバナンストークン変換型リワードトークン
その名の通り、ガバナンストークンに変換可能なリワードトークン。
・貢献活動によって得られらリワードトークンに一定の条件が加わった場合
・特別な貢献活動を行い投票によって発行許可が出た場合
などの条件によって発行する。
※転売負荷、コミュニティ内での価値交換不可、変更機能あり
•期限付きリワードトークン
リワードトークンの中で、使用期限が設定されたトークン。
基本発行条件はリワードトークンと同様で、貢献の度合いや、貢献者の立場(コントリビューター、一般参加者など)によってリワードトークンの期限や使用場面が限定される。
期限付きリワードトークン保有者が、継続した貢献活動を行ったり、コミュニティ内での価値交換を活発に行った場合、期限付きが無期限になる設計も検討中
※転売可能、コミュニティ内での価値交換可能、変更機能あり
トークン設計の目的はバランス調整
今回は、大雑把に殴り書き程度の説明になりましたが、根本的な設計目的は、
・権利や責任、権限やリスクの分散
・組織の意思決定に参加するための方法の再定義
にあります。
例を出していくと以下の感じになる。
①資産保有者
・純粋な投資リターン目的の人に対して適したトークン
⇒ユーティリティトークン
・組織の発展に関わることで自らも組織の価値を高めるつもりで投資を行う人に適したトークン
⇒ガバナンストークン
・組織内で提供されているモノを入手したい場合
⇒リワードトークン、ユーティリティトークン
②資産 非 保有者
・資産はないが組織内で貢献し、組織のガバナンスに意見したい活動者
⇒リワードトークン獲得からのガバナンス変換型を目指す。
or特別な貢献活動を行い、投票で可決を目指す
・活動を通じて組織内で提供される価値を、活動によって入手する
⇒リワードトークン、期限付きリワードトークン
何度も考えているが、シンプルではあるものの、現在設定されている『リスク』に対する『リターン』の内容やバランスを調整することが必要。
・リスクとは?
・リターンとリスクの最適なトレードオフ基準は?
・リスクを回避した存在に対するリターンの測り方
・リスク回避の貢献内容をどのように判断するのか
・組織全体のリスクと小規模集団のリスクの相反
・組織全体のメリットと小規模集団のメリットの相反
その他様々な『想定できる感情的かつ主観的な人間の行動』に対して、最適な環境を守れるDAO設計を行い、
組織全体のメリットに貢献すること=貢献者のメリット
にもつながるエコシステムとしなければならない。
価値基準と貢献度の内容および尺度
活動によって得られる様々なユーティリティに対して、その分配率を既存の価値基準と変更する必要があるものの、そのバランスに関しては未知数。
また、なにを貢献とするか・・・
という絶対的基準を設定するために必要な『時間計算による価値計算』という、資本主義が生んだ弊害とも呼べる価値観を、どのように変化させていくのか・・・
関わることと貢献することの違いも明確にし、透明化しておく必要もある。
また、可視化された価値に対して関わっている多くの人に対する『貢献度の測り方』をどういうロジックで発見し、測るのか。
現在、価値化されていない価値基準となる
『定量化されていない定性的価値』
に対して、どのように定量化していくのかが最大の難問となる。
AIの発展によって急速に『最適な価値分配バランス』のテストは行われるだろう。
定量データの最適な分配ロジックやトークンエコシステムの設計は、数学的な観点からアプローチをすれば、それほど難しいものではないと思われる。
ただ、ここに定性的価値を定量化し、踏まえた計算を行う・・・
という作業は、数学で言うところの『定数部分』を変更することと同じこと。
新たな公式を考える数学者と同じような作業を行う必要があることと、そこに『人間の感情』という常に変化する変数項目に対して、どう最適な計算式と変更ロジックを構築していくのか。
正解がない最適なエコシステム構築に対して、現時点で最も重要なのは
『参加する人たちに、どうあってほしいのか』
『どんな人たちに報われてほしいのか』
『正しさは無限にあり、どの正しさを組織の正しさとするのか』
『正しさは変化するもので、過去の正しさにも価値があることをどう描くか』
あげればキリがない哲学的な問題と最先端テクノロジーの融合が、よりよい未来につながると信じながら、人知れず妄想の世界で理想を追いかけたいと思う今日この頃です。
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