ビジネスパーソンが将来に向けて身に付けておくべきスキルまとめ

先日、会社の自己啓発セミナーで徳岡晃一郎先生の「ライフシフト」セミナーを受講して、「40代からのライフシフト」の書籍のアクションを実践してきた筆者はキャリアを作る(Will, Can, Creation)ことが大切だなと再認識しました。また、1on1でビジネスパーソンが身に付けておくべきスキルについて相談がありまして、他にも悩んでいる方大勢いらっしゃるのではないかとおもい体験や書籍を基に独自の持論をnoteにまとめていきます。

全体像をレベル0-レベル4までの5段階で整理した。

レベル1:コミュニケーション力x多言語力

レベル2:ビジネスアキュメン+OAスキル

レベル3:業務専門知識xDX

レベル4:業界+専門分野のネットワーキング力x発信力

レベル0:GRIT(やり抜く力)+ラーニングアジリティ


レベル1:コミュニケーション力x多言語力

1-1.スピーキング&ライティング。リベラルアーツ3科 文法学、修辞学、論理学。文法は正しい言葉を使うこと。修辞は現代風に言うとプレゼンテーション、論理はロジカルシンキング。総じてコミュニケーション力となる。これはデリバリー力ということになり、つまりアウトプットの技法である。

1-2.リーディング。速読術、記憶術/方法、速記/高速タイピング/音声テキスト変換。上記のアウトプットを出すにはインプットが必要。大量にインプットするには速読術が欠かせない。速読は訓練することでできるようになるものなので、早いうちにマスターしたい。これができるとインプットが全く苦でなくなる。インプットしたことをその場限りの知識にしないように、重要な部分を記録することが欠かせない。Kindleを使ってハイライトするのもよし、Evernoteに記録するのもよし。脳の記憶に頼らず、外部記憶装置を利用しよう。記録には、紙であれば速記(自分が読めればよい)、パソコンであれば高速タイピング、または最近は音声テキスト変換の精度が高く実用レベルで十分使える。(Google Doc、Evernote、IBM Watsonなど)

1-3.レベル1:リスニング。スマホをいつでも持ち歩く時代に耳もフル活用しよう。ポッドキャスト、オーディオブック、英語の勉強など。ウォーキングやリングフィットなどトレーニングをやりながらも、耳から同時にインプットもできる。

1-4.多言語。日本語がビジネスレベルで完璧にできる(言葉遣い、メール、資料作り含め)ことがまず当たり前に必要で、その上で、英語も当たり前にビジネスレベルできるように。ニーズによって中国語もできると尚よい。英語は、受験勉強時代時間をかけてこなかったヒアリング、スピーキングを重点的にやろう。興味のある分野を英語で調べるとよい。映画、雑誌、ニュース、TEDトーク、ポッドキャスト。聞きながらシャドーイングができるレベルまで到達を目指そう。

レベル2:ビジネスアキュメン、OAスキル

2-1.PDCAサイクル。仕事の計画、実行、振り返り、アクション。仕事で一番大事なのが、計画、つまり段取りだ。実行は粘り強くやり抜くこと。失敗はつきものなので必ずすぐに振り返って、次に活かす。このPDCAサイクルを高速で回転させるとパフォーマンスがぐんと向上する。

2-2.目標設定と期待値の確認。仕事がうまくいかない原因に目標設定のすれ違い、期待値が異なることがある。上司と目標設定の段階でよくすり合わせることが必要だ。

2-3.報連相。仕事が終わったら報告。何かあったら連絡。困ったら相談。きっちりやれば仕事途中での期待値のずれは修正できるし、遅れもサポートを入れたりなど挽回可能だ。悪いニュースほど早く上司に入れるようにしよう。

2-4.優先順位付け。いつも仕事に追われるようになったら優先順位をつけて整理してみよう。アイゼンハウアーマトリックスといわれる横軸に重要度、縦軸に緊急度からなる四象限の図だ。第一領域が重要かつ緊急な仕事なのでしっかりと取り組みたい。第二領域が緊急だが重要度が低い仕事で、これはやらなければならないので高速処理したい。第四領域は重要度も緊急度も低い仕事で、上司と相談してやらなくするのもの手で、ひとまず手がすくまで置いておこう。そして第三領域が重要だが緊急度が低い仕事。やらなきゃいけないのがわかっちゃいるけど、ついつい後回しにしてしまう悪魔の領域。企画仕事で多かったりする。こつは週の中で時間を意識的に抑えておくこと。スケジューラーに登録しておくとよい。在宅勤務で集中して取り組むにも向いている。

2-5.OAスキル。パソコンで仕事をすることが日常の中。MSオフィスのアプリのスキル、ワード、エクセル、パワポは中級レベルはマスト。職種によってアクセスもマスターしたい。意外と盲点なのが、アウトルック。メールの整理、回答、積み残しなし、ショートカットキーなどテクニックがあるので、習得して生産性をアップしよう。スキルを付ければつけるほどある一定程度までは劇的に時短効果がある。

レベル3:業務専門知識xDX

3-1.専門分野知識。経営、財務、人事、法務、コンプライアンス、リスク管理、監査、セールス&マーケティング、オペレーション、テクノロジーなど大きな専門分野の知識だ。専門分野の中に、人事であれば、採用、L&D、C&B、HRBP、労務管理、ペイロール、企画など小分野があるので、まずは一分野から入って複数の小分野をマスターしたい。掛け算式にスキルが希少価値になっていくので、大分野で二つ、小分野も二つ以上スキルを身に付けたい。内部はもちろん外部の労働市場においても価値が高まるポータブルスキルだ。専門分野の知識の付け方だが、書籍、そしてセミナー参加、更に勉強会の参加、大学院やスクールの学び直しなど段階があるので、計画的に知識をアップデートしていこう。学校に関してもMOOCなど国内外の大学の講義が無料でみれるようなプラットフォーム。海外大学の有料オンライン講座などある。筆者は20年前にUCLAのオンラインコースでHRサーティフィケートを取得した。HRを英語で学んで一石二鳥の学びだった。専門分野の知識の流行り廃りは激しいので、陳腐化しないようにリスキルが必要だ。会社が提供している研修コンテンツもあれば自己啓発として使い倒そう。これも自身にとっては無料であることが多い(一部自己負担がある場合もある)ので、使わない手はない。

3-2.DX。どの専門分野においてもDXスキルを身に付けることはアドバンテージになる。具体的には、その分野におけるシステムとデータサイエンスだ。システム導入プロジェクトがあったら積極的にアピールしてプロジェクトメンバーに入り込もう。プロジェクトマネジメントスキルも身に付くので、業務管理にもとても役立つ。データサイエンスは統計分析。エクセルでよいので、回帰分析、ヒストグラム、箱ひげ図、散布図など作れるスキルが身に付くとデータに基づく説得力のあるファクトがロジカルに説明できること間違いなし。gaccoの学びのプラットフォームで、総務省統計局の社会人のためのデータサイエンス入門が今なら受講料無料で学べる。筆者は、統計学については大学で単位を取って以来ご無沙汰だったが、Excel統計と、RやPythonで簡単なプログラミングができるようになった。

レベル4:業界+専門分野のネットワーキング力x発信力

4-1.インダストリーのネットワーキング力。同じ業界で人脈を作ろう。

4-2.専門分野のネットワーキング力。専門分野であれば異なる業界でも人脈を作ろう。セミナーとか勉強会、研究会、アカデミック寄りでは学会などが人脈を作るチャンスだ。セミナーでは質問したい。そうすると終了後の名刺交換でも覚えてもらえる。オンラインセミナーでも質問したい。SNSで友達申請すると質問していれば結構OKしてもらえることが多い。

4-3.発信力。人脈を作ったら自分から発信しよう。そうすることで必要な情報が入ってくることもある。SNSでも自分からの情報発信は戦略的に使っていこう。発信することは、自分の興味関心が高いことで、その分野に自分は興味関心が高いといいまくろう。Give、Give、Give、Giveしてone Takeができたら儲けものくらいに思っておこう。

4-4.独自コンテンツ。独自コンテンツが作れると発信力が差別化される。セミナー、講演の機会をいただいたら次世代に伝える大事なチャンスをいただいたと思って引き受けよう。引き受けて評判が良ければ続いて依頼が訪れ更に差別化が際立つ。アカデミックな分野では論文の執筆、書籍の編纂も差別化になし、なにせ書き物は後世に残る。巨人の肩の上に乗って世の中の知識に貢献しよう。

レベル0:GRIT(やり抜く力)+チェンジマネジメント+ラーニングアジリティ

レベル1-4までの土台となるものがレベル0だ。

0-1.GRIT(やり抜く力)。Duckworth(2016)は"GRIT"で、成功の鍵はやり抜く力だという。ビジネスにおいて最後まであきらめない。考え抜いてやり抜く力。激しく同感。

0-2.チェンジマネジメント。VUCAの時代に変化はつきもの。変化への適応力というのはビジネスパーソンの土台として必要なスキルと考えるべき。Kotter(1996)は"Leading Change"で8段階プロセスを提唱した。1.緊急課題であるという認識の徹底、2.強力な推進チームの結成、3.5分で話せるビジョンの策定、4.徹底したビジョンの伝達、5.ビジョン実現の障害を取り除く、6.短期的成果を上げるための計画策定・実行、7.改善成果の定着とさらなる変革の実現、8.新しいアプローチを根づかせる

0-3.ラーニングアジリティ。学習機敏性と訳される。素早く学ぶ力ということだ。変化の激しい時代にリスキル、リカレント教育を常に行い、知識やスキルをアップデートする。新しい環境やビジネスにおいて素早く学び素早く適応する力もビジネスパーソンの土台として必要なスキルだ。

カッツモデルで言うところのテクニカルスキルを中心にまとめたが、ミドルマネジメント、トップマネジメントには別途ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルが欠かせないことも最後に申し添えよう。

参考文献

リベラルアーツ、経済産業省 新・社会人基礎力、新入社員研修、コンサルティングファームのスキル体系、ヘッドハンターから伝授された転職スキル、MOOC、gacco、40代からのライフシフト、HR Transformationの研修、GRIT、Leading Change、ハイポテンシャルの選抜

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