ありたい姿から給与制度を発想する
給与を社員さんに申告していただく人事制度に取り組んでいると、「お金の話は大変そうですね」という言葉をいただくことがあります。
たしかに人の給与額が決まる対話の場にいることはプレッシャーもありますが、ほとんどの時間は楽しい対話になっています。
人は、自分が話し合いの当事者になる場合は、やっぱり誠実に向き合ってくださるのだと思います。
給与への不満を陰でいう社員さんに対しては「問題社員だ」という評価が下されますが、公式の場で自分の意見を言うことができなければ陰で言うしかなく、それはその社員さんが問題なのではなく、給与が決まるプロセスに問題があるのだと感じています。
給与額を決める権限を持つことで、社員さんをコントロールしたいのであれば、会社が給与額を決める制度を続けた方がいいと思います。
しかし、立場の違いを超えて社員さんとパートナーでありたいのであれば、社員さんと給与額について対話をして、その対話のなかで給与額を探求していくプロセスにした方が、ありたい姿に近づいていくのだと思います。