{感想}映画『浅田家!』
写真集のことは知っていて、ふーん面白い企画なあ、と思っていた認識程度だったけど
その写真に関するエピソードはとっても興味深いと思って見てきた。
前半と後半で大きく2つのブロックに分かれていた。
後半は浅田さんのアルバム洗浄活動のことは知らなかったので、東日本大震災の話が突然飛び込んできて驚いた。
家族写真については私も常々その写真の持つ力、引き出す記憶力に日々圧倒されているので、浅田さんの活動についても共感が多かった。加えてそれをストレートに表現できる愛に溢れる行動に、そして周りを巻き込むことのできる、きっと可愛らしいであろう人柄の良さが垣間見えた。
お兄さん、実際に交渉したのかな・・?その交渉能力の高さにも驚いた。
身内に消防士がいるが、10年ほど前は結婚式の余興でも制服を着ていたし、当時は緩かったのかなとも思った。
自分の家族の写真だけでなく、家族写真を撮る活動も始めた浅田さん。
他人の家族写真を、これだけ浅田さんらしさで演出できるのは、本当に愛情深い人だからなのだろう。冒頭にもあったように、その人を理解しないとシャッター切れないと言っていたもんね。
私はよく、今この瞬間を忘れたくなくて、私はよくスマホのシャッターや、フィルムのコンパクトカメラで撮る。しかも同じシーンを両方でも撮ることがある。
色々撒いておきたくなる。無くさないように、種を。(これは過剰だと思うけど)
確かに、シャッターを切った瞬間は一瞬だけど、その写真はずっと心に残り、その前後の記録はずっと残ると思っている。
今この年齢でこの瞬間を生きている私たち。1分後は違う自分だ。人生は昔の自分を置いてどんどん続いていくけど、ピタッと人生という壁にちょっと前・あるいは遥か昔の写真を貼って眺めながら生きていくんだろう。
写真を見て振り返ったり。全然見なかったり。だけど見たら確実にその時の空気が戻ってくるし。写真って本当にすごいよなあ。