【SS】唐突な迷惑
もうどうでもいいや、と思った。
本当に、どうでもよくなってしまった。
「あの、唐突でご迷惑でしょうが」
そんなふうに見知らぬ女に声をかけた。
「はい。なんでしょう?」
目と目が合った。
その素敵な瞳。
いつまでも見つめていたかった。
しかしながら
抱きしめるのも殴られるのも億劫だ。
「いえ。なんでもありません」
すぐに、その場から逃げだした。
酔っ払いと思われたことであろう。
実際、相当な酔っ払いであった。
だが、そんなことはどうでもいいのだ。
吐いたっていい。
転んだっていい。
狂おうが死のうが問題じゃない。
なにがどうなろうとなんでもない。
で、そのまま帰って寝てしまった。
そうなのだ。
家に帰って寝たっていいのだ。
Sudden Nuisance
I thought it would be alright to do anything.
I really didn't care what happened.
"That's a sudden surprise, though."
I called out to a strange woman like that.
"Yes. What?"
I stared at her.
Her lovely eyes.
I wanted to stare at her forever.
However, it is bothersome
to hug her and to be tempted by her.
"No. Nothing."
Soon, I ran away from the spot.
She would have thought of me drunk.
In fact, I was quite drunk.
But that doesn't matter.
It does not matter that I have spit.
There is no problem that I fell.
It does not matter if I go crazy or die.
It doesn't matter what happens.
So I went home and went to bed.
That's right.
It does not matter if I go home and go to bed.
動画のための歌や朗読音声、募集中。https://tomekantyou.hateblo.jp/