どうすることもできないまま
人の好意を受け止めるのが怖い。嫌われたくないから。好まれたままでいたいから。嫌われてもいいと思った人に嫌われる事はダメージを受けないのに、一度好まれた人から嫌われるというのはダメージを受ける。経験した事は一度しかないけど。
あのダメージが私を臆病にしたのかもしれないし、元々はそうだったものをそのせいにしたいのかもしれない。
きっと今は、若くて綺麗な部分が目立つうちは、可愛がられるのだろうけど、きっとこの先、老いていって、このままではダメだとはっきり実感した時にはもう遅く、何もかも手遅れになるのだろう。
私はこれから変われるのだろうか。変わってきた自覚は無いような気がする。変わろうとして変われるものでも無い。人生の半分くらいをこうした考えの下生きてきてしまったのだから、もうこのまま生きていくしかないのだろうか。
気づけばもう1年もあと少しで終わるし、秋と冬の狭間にいる。こんな調子で日々は過ぎていき、浅はかな考えだけが取り残されたまま、私は歳をとる。
それはきっと悲しい事なのだろう。私自身がそれを悲観的に捉えているということは、きっと悲しい事なのだ、私にとっては。他の人にとってはどうかはわからない。ただ、私にとっては、きっと悲しい事なのだ。
飽きるかもしれない、嫌いになるかもしれない、飽きられるかもしれない、嫌われるかもしれない、を考えすぎるあまり、好きになる事すら億劫になっているのだ。あまりにも青く若い。そういうのはもう少し幼い時にしておくべきだったのに。幼い私は、本や漫画ばかり読んで、要らぬ知識を蓄えることに必死だった。思えばあの頃、もう少し色んなことに対して素直になっていたら、と、考えても仕方がないことを考えている。
きっとこういうめんどくさいことを考えないために、私は酒を飲むのだろう。
どうすることもできないまま、どうしたらいいのだろうが増えていく。何を飲んでも何を食べても解決できない。
2022.11.10