シェイカー(楽器)の種類
前回「シェイカーの魅力」という記事を書いた。その続きである。
シェイカーは仕組みが単純なため、その種類が多岐に渡る。そのうちのいくつかを紹介しようと思う。
なお、シェイカーは中に入っている球の大きさや量で音質・音量がかなり変わる。見た目の印象と音が合致しないこともあるため、可能であれば入手前に試奏するのが望ましい。
・棒型、スティック型
一般的な形状のシェイカーで、プロ的なイメージもある。
扱いやすく、棒の本数を増減させることで音量を変えることもできる(なお、2本が基本という印象)。
また、長さがあるため手を回転させて振ったり、団扇で仰ぐように片側だけクッと振って音を出すなど、奏法の幅も広い。
見た目にもある種の楽器らしさがある。
諸々のバランスが良いシェイカーの基本形状と言える。
・円筒型
これもプロ的なイメージがあるシェイカー。シェイカーとしては大型のものが多い印象である。
音が大きく、操作性も良いとのことだが、気軽に持ち運んで人とセッションする場面を想像すると個人的にはガチすぎると感じる。
見た目もストイック。どちらかというと音量が必要になる本格的な演奏に向くと思う。
・箱型
横向きに持っての演奏が一般的だが、あえて縦に持ってみたり、面や振る角度を変えることで音質・音量がある程度変わる。状況に応じて多少音を変えられるメリットがある。
サイズは大きいものから小さいものまで幅広くある印象。
木製のものが多く、見た目が良いのも特徴と言える。
小型のものは旅のお供に最適であろう。
・卵型、エッグシェイカー
手のひらに収まるくらい小さいものが一般的である。
小さいため、手で握り込み、手の開き具合で音質をコントロールする奏法が可能である。
完全に丸型ではないため、振る角度を変えることで違う音を出すことができるのも面白い。
音量も小さいが、状況によってはメリットになることもある。片手で2個持つことで音量を稼ぐことも可能。
かわいらしい形状の割りに懐が深いシェイカーである。
・カシシ
ブラジルのシェイカーであり、民族楽器の一種である。
側面はカゴ、底面は固い材質になっている。そのため横にして振ると優しい音が出て、底に中の球を打ち付けると乾いたパーカッシブな音が出る。
まるで質の違う音が出せるメリットがあるため、民族楽器ながらシェイカーの中では独自の立ち位置を築いている印象である。
シェイカーのソロパフォーマンスでは片手にカシシを持つパターンをしばしば見かける。
・アサラト
丸型シェイカー2個に紐を付けて連結させたアフリカの民族楽器(現地ではおもちゃのニュアンスが強いかもしれない)である。日本では熱心な愛好家が一定数おり、独自のカルチャーを形成している感がある。
実のところシェイカーというよりは打楽器の感が強いが、面白い楽器なので紹介する。
動画を見ればわかるが非常にパフォーマンス性が高い。楽器とヨーヨーの融合体という感じである。
ポテンシャルのある楽器だが、コッコッという音や楽器の持つグルーヴ感がギターなどの一般的な楽器と合いにくいように感じる。セッションを行う場合「異文化交流」という感がぬぐえないように思う(無論、できないわけではない)。
反面カホンやジャンベなど、他のリズム楽器との相性は良い。
・サポート系
指に付ける小型シェイカーや、足に付けるシェイカーなどもある。
これらは単体で見ると意味の分からない楽器だが、カホンやジャンベなどの打楽器と組み合わせることで本領を発揮する、いわばサポート系シェイカーである。
他の楽器もやっているという人は入手を考えるのも一つかもしれない。
・変形、おもしろ形状
仕組みが単純なので、変形シェイカーも多い。野菜型のシェイカーやフルーツ型のシェイカー、キャラクターもののシェイカーなどもある。
形状が独特なものは扱い方で多彩な音が出せるというメリットもある。
案外いい音がするものもあり、なかなか侮れない。
ざっとこんなところであろう。
初心者の人であれば「棒型、スティック型」を選ぶのが無難であるが、手に取りやすい「卵型、エッグシェイカー」でも十分要領はつかめる(ただし、少々振りにくい感はある)。
シェイカーは何せ種類が多い。興味が出たなら近所の楽器屋さんにいって振ってみると良い。地方の楽器屋さんでも種類は少ないながら、置いてないということは無いはずである。
少なくとも1つは持っておくと何かと楽しめる、良い楽器だと思う。
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