吹奏楽部コンバス不要論
最初に断っておくが、私自身吹奏楽の経験は無い。知り合いに聞いた話から、コンバス担当者があまりに不憫だと思ったので記事にしている。
なお、「聞こえないから不要だ」などと浅い話はしていない。メリットとデメリットを考えた場合に不要だと述べているので、可能であれば下まで読んでいただきたい。
また、以下は学生の部活をイメージして述べている話である。プロ団体の話はしていない。
※楽器の名称についてだが、「弦バス」とも言ったりもするらしいが、私はその辺の風潮が分からないため個人的に慣れている「コンバス」表記にしている。
正直、吹奏楽におけるコンバスは「苦行の塊」に聞こえた。
・そもそも「吹」いて「奏」でる楽器じゃない
・そもそも聞こえない
・指導者もコンバスは良く分かってない場合がある
・管理が大変(他の楽器と勝手が違い過ぎる)
・意外に軽いが、それでもデカく、取り回しが大変
などなど
なお、メリットに関しては悩んだ挙句
・弓を動かす動きでリズムが分かる
・(聞こえないが)弦の音が入って厚みが出る
という何とも言えない回答であった。
吹奏楽の暗部にパーカッションがあると思うが、これはいざやってみると叩く面白さがあり、音も代用が利かず、しっかり聞こえる。独特の味わいと救いがある。
が、コンバスはそれ以上に吹奏楽部員に苦行を課す楽器にしか思えなかった。
確かに、私自身DTMで曲を作るため、聞こえにくい音でもオケに入ると曲のクオリティが上がるというのは知っている。記事を書くにあたり吹奏楽の演奏を聴いたが、チューバと協力し低域の明瞭度を上げているのが分かる。クオリティ的には当然コンバスは無いよりあった方が良いだろう。コンバス擁護論も楽曲のクオリティという観点からは十分理解できる。
しかしながら、何事にもコストと効果のバランスというものがある。個人的にはコンバスの効果は学生の部活としてはコスト(指導・管理・運搬など)に見合わないと感じる。
何より吹奏楽部に入部して最初からコンバスを担当したがる奇特な学生はいないだろう(ここが一番言いたい)。コンバス以外にも人気の薄い楽器はあるだろうが(KISSバとかUFOニアムとか)、まだ吹く楽器という救いがあるし、全体のために多少の譲歩は仕方がない部分もある。しかし、コンバスは流石に行き過ぎ感がある。トランペットを志望してコンバスになる学生を想像すると、ぶっちゃけ学生の部活には不要な楽器だと思う。
実際に学校の規模によっては省いているところもあるとのこと(省けるやないかい!)。
まぁこういうのは学校と言う組織には良くあることで、おそらく慣習的に採用されている部分もあるのだろう。吹奏楽の音源を聞くと、中域の音像がぼやけているように感じる。音楽的には高域を適切にカット(トランペットの邪魔をしたくないため)したエレキギターを入れるとハッキリ感が追加されて悪くないはずだが、通常エレキギターは入らない。エレキギターを入れないなら、コンバスだって抜けるはずである。
無論これは極論ではある。伝統もあるため、エレキギターを常時入れろとは言わない。しかしながら、バランスを見て必要な改革は行っていってほしいものである。
なお、私自身コンバスは良い楽器だと思う。ジャズでは花形にもなり得るし、ロックにも意外に合う(ジャンル的にはロカビリーだが、「Stray Cats」の使用が脳裏に浮かぶ)。マニアックなためURLも貼るが、日本の「SOFT」というバンドもエレキコンバス(正式名称は知らないが)を使っている(https://www.youtube.com/watch?v=P40362q2DoM)。
もし今コンバスを担当している人が見ているならば、別の世界があることも知っておくといいと思う。知ってモチベーションが下がることは無いはずだ。
吹奏楽のコンバスは居場所がベストではないように思う。さながら空とペンギンである。
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