人気のある楽器は一部だけ
タイトルは先日、日本の楽器演奏者人口を調査していた中で明らかになった事実である(なお、日本人の10%ほどが楽器を演奏するとのこと)。
まず以下のグラフを見ていただきたい。
これはYouTubeにて「[楽器名] レッスン」と検索し、視聴回数順に並べ替えしたのちに「再生数が一番多かったまともなレッスン動画の再生数」を記録したグラフである。なお、マイナー楽器の場合日本語で検索しても海外の動画がトップに表示されたため、そういったものは除外し日本の動画に限定している。
必然的に人気の楽器ほど再生数が多くなるため、どの楽器が人気なのか分かるという寸法である。無論、厳密な人気楽器が分かる調査法ではないが、概ねの感覚は掴めていると思っている。
なお、ギターに関しては基本的な奏法が同じなのでエレキとアコギを区別していない。
これで分かったのが人気の楽器は一部に集中しているということである。
具体的には
「ギター、ウクレレ、ドラム、ピアノ、ベースの5種類に人気が集中している」と言える(正直ベースを加えるのは怪しい気もするが)。
もう少し詳しく、捕捉的内容を書いてみると
・エレキとアコギを区別していないとはいえ、ギターが圧倒的に人気
・ギター、ドラム、ベースといったバンド楽器が人気
・ウクレレは「小型ギター」のような性格があるため、実質的にはギターに含まれるかもしれない(これが正しいならば、ギター人気は他より頭3つ4つくらい抜けていることになる)
・ピアノはそこまでセッションのイメージが無いため、個別的人気を持っている
と言ったところである。
逆に言うとこれら5種以外の楽器は思ったほどの人気は無いと言っていい。一見吹奏楽系の楽器は人気がありそうだが、実際動画の再生数が思ったよりも少ないという事実がある。トランペットでさえ32万再生で、10万再生前後の楽器が大半である。楽器をやる人から見れば、思ったよりも少ない数値であろう。
おそらくだが、中学高校の吹奏楽部員たちは学校のレッスンで満足orいっぱいいっぱいなのに加え、成人の新規参入が少ないために動画の再生数が伸びないのだと思う。すなわち、吹奏楽部員が使っているから人気があるように感じるだけで、実際のところ一般人気は無いといえる。
それでもまだ吹奏楽系の楽器はマシな方である。ボンゴやコンガなど、一般目線でマイナーな楽器などは良くて10万再生、ものによっては動画の質は良いのに1万再生代もざらである(記事作成中にカリンバの結果が気になって調査したが、これ程手軽な楽器でも最大33万再生程度)。
私も趣味で色々楽器はやる人間であり、周りにも音楽好きな人間が多い。note上で手軽に始められる楽器を紹介する記事を書いたこともある。それだけにこの結果はちょっと意外だったのが正直である。暫定的な調査なので実際とのズレもあるだろうと思った。
しかし、思い返してみれば楽器屋に行ってもお客が満員と言うことは無い。品ぞろえのメインも圧倒的にギターである。パーカッションなどは明らかに販売スペースが小さいし、バイオリンや吹奏楽系の楽器を試奏している人も見たことが無い。
あながち外れているわけではない気もしてくる・・・。
あえて結論を書くならば「吹奏楽経験者以外で楽器をやりたい、やっているという人はギター、ウクレレ、ドラム、ピアノ、ベースのどれかをイメージしている可能性が高い」という話であった。
他人と音楽・楽器の話をする場合、これら以外の楽器は人気が無いと考えながら話をした方が良いだろう。
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