キーボード、電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノ、どれを選ぶ?
ピアノの選び方について、各種の動画を見て調べる機会があったため、得た知識を記事にしようと思う。
ただし、具体的な機種名まで踏み込んだ記事ではなく、タイトルにもあるように「主要5タイプの中からどのタイプを選べばいいのか」という大枠について語っている。
また、この記事はあくまでも「ピアノ」の選び方に的を絞っており、色んな種類の音が出したいとか、そういったニーズは度外視した記事になっている。
要するに「ピアノが欲しい人」や「ピアノを選ぶときの大まかな感覚を知りたい人」などに向けた内容となっている。
最初に結論を書くならば「グランドピアノの購入をベストと仮定し、あとは個々人の状況に合わせた選択をしていく」というものになる。
ではそれぞれのタイプと向いている人について書いてゆく。
【キーボード】
・気軽にピアノらしい音が出る鍵盤楽器が弾きたい
・リアルさよりも持ち運びを重視したピアノが欲しい(電池駆動可否要確認)
といった人に向いている。
何と言っても価格の安さ・取り回しのしやすさが魅力であろう。鍵盤のタッチの軽さも弾き疲れないメリットと見ることもできる。
手軽・気軽に弾く鍵盤楽器としては最適。ライト層なら真っ先に見るのはキーボードといって良いだろう。
逆に言うと、ガチでピアニストを目指しているような、本格志向者・ガチ勢のメイン練習ピアノとしては全く不向き、というかダメである。
購入の際は鍵盤の数には注意した方が良い。76鍵あればほぼほぼ大丈夫という話を聞いている。あとは取り回しを重視するならより少なく、ピアノと同じが良ければ88鍵がいいだろう。
なお、世の中にはシンセサイザーというものもある。あれは信号の入力装置として鍵盤を使っているだけで、モノとしてはピアノとは全く別である。しかしながら、入力装置が一緒なだけに確かにピアノ的な使い方もできるのがややこしさに拍車をかけている。なお、信号をギターで入力するギターシンセサイザーもある。
例えるならカニとタラバガニの関係である。タラバガニはカニに似ているがヤドカリの仲間である。
とりあえずピアノらしい鍵盤楽器が欲しいという場合、シンセサイザーは候補から外していいだろう。
【電子ピアノ】
・本格的にピアノを練習したいが、住宅事情からグランドピアノが置けない
・アップライトピアノ、グランドピアノを所有しているが、夜間にもピアノを弾きたい
・本格的にピアノをやりたいわけじゃないが、キーボードよりはそれらしい楽器が欲しい
といった人に向いている。
まず、本格的にピアノがやりたくて住宅事情の問題も無いなら、コストに目をつぶってでもグランドピアノを購入した方が良いとのことであった。
というのも、電子ピアノは所詮デジタル。つまり数値で管理された電子機器に過ぎない。0と1の間の、繊細な世界を表現することができない訳である。
これは本格志向の人間にとっては致命的と言える。
しかしながら、いくら本格志向でも「住宅事情からどうひっくり返ってもグランドピアノは置けない」という場合、無いよりは良いという観点から、仕方なく使うのは有りとのことだった。この場合定期的に本物のピアノを弾く機会を作ること、と語っていた。
多数の動画を見たが、この「電子ピアノ所有&たまにグランドピアノ弾く方式」はもっとも低いコストでピアノの練習ができるコスパの良い方式といって良い。むしろ下手にアップライトピアノを導入するよりも練習効果は高い可能性がある。
電子ピアノの良い点にヘッドホン機能がある。すでにグランドピアノを持っている人であっても夜間練習機材として導入するのは十分有りという情報もあった。
ピアニストの動画配信者曰く、生のピアノとは別物で、繊細な演奏はできないものの、ある程度の演奏なら十分できるとのことで、本格ピアノ未満、キーボード以上のピアノが欲しい中間層にも適している選択肢だろう。
ただし、電子ピアノは電化製品であり、案外寿命が長くないらしい。動画では10年くらいと言っていた。その点生のピアノは修理さえすれば長く使えるとのことで(実際国内に1819年製造のピアノがあり、演奏している動画がある)、長い目で見ればアップライトピアノの方が低コストという考えもあるようだ。
【アップライトピアノ】
・本格的にピアノを弾きたいわけではないが、電子機器のピアノは好まない
・一周回ったマニア
といった人に向いている。
生のピアノには違いないアップライトピアノだが、ある動画見たところ、グランドピアノとは構造が大きく異なることを指摘していた。その内容から考えるとアップライトピアノで練習すると独自のクセが付くと思われる。
アップライトピアノも、所詮はグランドピアノの簡易版である。
前述のように本格的にピアノを弾きたいが、グランドピアノが置けないという人はアップライトピアノよりも質の良い電子ピアノを導入し、別途グランドピアノを弾く機会を設ける方がマシかもしれない。
しかしながら、グランドピアノとの構造の違いから必然的に音質も異なるため、「この曲では返ってアップライトピアノの音が合う」といった意見を持つ一周回ったマニアの場合、アップライトピアノの導入も選択肢に入るだろう。
ライト層だが、電子機器のピアノは好まないという人はコストの観点から必然的にアップライトピアノを選ぶことになる。むしろこの層に一番合致するのがアップライトピアノだと思われる。
【グランドピアノ】
・本格的にピアノが弾きたく、グランドピアノを置ける環境がある
・子供がピアノを欲しがっている。子供の性格的にも一段踏み込んでピアノを続けていく可能性がある
・とりあえずピアノが欲しい。お金と場所にも余裕がある
といった人に向いている。
ぶっちゃけキーボード、電子ピアノ、アップライトピアノは「グランドピアノが使えないため、仕方なく使うもの」と言って良く、状況が許すならグランドピアノ一択である。確かに金額自体は高いものの、国内のY社のピアノなどは「モノの出来からすれば安すぎるくらい」という話も聞いた。
実際ピアノの内部構造を見ると複雑も複雑。製造の手間もかなりかかる。この話を聞いても別段おかしいとは思わなかった。
例えばラーメンは一杯800~1000円くらい、ちょっといいホテルだと3万円くらい、車は100~300万くらい、入門ピアノは100~200万くらい。そもそも論としてピアノはこれくらいかかる楽器なのだ。
これでも安いくらいなのだから、これ以上安いなら何らかのデメリットが生じるのは当然と言える。
子供がピアノを欲しがっており、本格化してもおかしくないようなら、とりわけグランドピアノ一択である。発表やコンクールで演奏するのはグランドピアノであり、そもそもアップライトピアノとは構造が違うという点からもこれは確実に言えることである。
しかしながら、グランドピアノといっても大きさが多数あるらしく、この辺りの選択は今回調べた内容の範囲外になるため記述ができない。ご容赦を。
以上調べた情報をまとめてみた。
ピアノの購入を検討しているが、どんなピアノを選べばいいかピンと来ていない人の助けになれば幸いだ。
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