第4回 巌流島 「WAY OF THE SAMURAI 公開検証 Final」 演出感想・課題・総評

※mixiに書いたものを加筆修正して転載

◆演出

滞りがなく、試合のテンポが良いという意味では今大会はすごく良かったのだが、オープニングは前回大会のほうが良かった。というのも、「HEVENESE」という和楽器を用いたアーティスト集団による生演奏での入場は本当にかっこよかったからだ。

今回は都合がつかなかったのか「HEVENESE」は参加していない。その代わり、武人画家による生描画があった。結構かっこいいのでTシャツを買ったほどだ。でも、選手紹介と別だと良かったかも。どっちを見ればいいかわからなかった。

そして前回、ちょっとみっともなかった太鼓橋の配置・撤去は、"参道"からのスライド式になり、滑り止めを加えたことで、労力を使わない工夫が見られた。太鼓橋下のマットはどうするのだろうと思ったが、ちゃんとセパレート式で、逐一マットが敷かれるのも良かったと思う。

またケガの恐れがあった照明も闘技場の下に埋まり、そして若干闘技場の高さが低くなり、安全面の配慮が見られた。

相変わらず、可愛い巫女は評判がいいのでこれは継続すべき。そして今回、呼び出しセイン・カミュだったw。別に下手ではなかったが、外国人の顔と神主姿はちょっとミスマッチかな、とは感じた。

◆課題 

▼規模に見合った箱 

有明コロシアムは1万人くらい埋まるようで、今回は4000席用意したものの、売れたのは2500席くらいらしい。どうしても空席が目立ち、ガラガラ感は否めないので、ちゃんと大会規模に見合った箱を用意しして欲しい。小さい箱ながらも、満員の中でやれば選手もお客さんもヒートアップするはずだ。

どうしても見栄えや体裁を気にして、大箱にする場合、宣伝が大事だ。フジテレビは積極的に地上波で宣伝してほしかった。

▼熱を冷まさせない展開

テンポが良いと書いたものの、それは試合のテンポがいいということであって、前半後半をわける休憩は、なんと30分もあった。

もはや、巌流島名物とも言える長尺の休憩である。あえてポジティブに捉えるならば、休憩が長い=待たせるこそ巌流島なのだw。佐々木小次郎の気持ちが少しでも味わえる。

一応残り10分でモニターに前半のダイジェストが流れたが、ガチ甲冑合戦の映像を流すなど、とにかく客を飽きさせない演出は欲しかった。

▼相手の突然の変更 

第五試合のミャンマーラウェイの選手の相手は、本来はカポエイラ選手だったが、数週間前、ケガによりボクシングの選手に変更。が、そのボクシングの選手もビザトラブルにより来日できず、結局、前日にキックボクシングの選手になった。

さすがにこの変更にはミャンマーラウェイの選手も怒ったことだろう。さらに、そのキックボクシングの選手は、翌週日本で試合が控えており、所属ジムや他団体に断りを入れてなかったという。選手独断の判断でこの突然のオファーを決めたのかもしれないが、さすがに道理に反していると思う。

事前に発表されたカードを楽しみにしてチケットを買う人もいるのだから、「ちゃんとブッキングできる選手」を入れてもらいたい。

▼細かい部分の判断

巌流島は寝技15秒なので、15秒耐えればスタンドで再開になる。防御しているのか攻撃を浴びているのか若干判断が曖昧なところがあったので、より明確化してもらいたい。

また、どういうパターンだと転落または同体になるかの判断も揺れている。選手、審判、お客さんともに納得できる判断は必要だ。

◆総評

正直、第一試合から判定だったので、KO率95%と謳っている巌流島は 「このまま判定が続くんじゃ…」という杞憂もあったが、この第一試合以外は全部KO・TKO決着だったし、メインが一撃・秒殺だったので、満足度は高かった。欲を言えば、全部打撃による決着だったので、一戦くらい「転落」決着は欲しかったが、打撃のほうが説得力あるのでこれでも良い。

「公開検証」を4回行い、早くも10月に次回開催が決定した。つまり、いよいよ本番となる。さすがに"予習"を4回もやったのだから、これから行われる本番は、必ず良い結果を出さなければならない。

実際見た人の満足度は高い興行であり、「武道エンターテイメント」という軸も定まったのだから、武道とエンターテイメントという矛盾の帰着点を見つけて、これからも最高の異種格闘技戦に期待したい。

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