「巌流島 Staging tournament 公開検証2」 終了後感想
※このレポートは、当時、mixiでマイミク向けに書いた限定公開日記を加筆修正したものである。
「巌流島」についての続きである。まずは、今大会で良かったところと悪かったところを挙げる。
◆良かったところ(前回と比べて)
・ルールや闘技場がわかりやすくなり、試合が面白くなった
・闘技場の周りに張ったスモーク
・演武
とくに、ルールは「転落」の面白さが出てきたと思う。また寝技の時間制限も戦略が見えて面白い。本来は立ち関節しか認めてなく、寝ても関節技なしの15秒制限がある。この15秒で決めるのは難しい。
だが、ルール次第では関節技・30秒ルールも認められ、田村の試合がそのルールだった。30秒の制限時間でヒールホールドを決めたのはさすがだった。この15秒/30秒は統一して欲しい気もあるし、選手たちの同意で選択方式でもいい。軸を決めて、細かいところは両者の同意というのがいいかもしれない。
環境については、闘技場の周りにスモークを作るのも雲海という感じがして幻想的であった。また巫女ラウンドガールは続けるべきだが、前回のほうが艶かしい振付もあってオレは好きかなw。第1回はプロ格闘技団体のラウンドガールらしいが。
そして今回演武として、YouTubeで有名なブルース・リー少年ことRYUSEIくんによるヌンチャクの演武があった。5歳とは思えない堂々とした演武で、非常に盛り上がった。前回の山本千尋ちゃんのような演武枠も必要かな。
◆悪かったところ
・あまりにもキャパシティに見合ってなかった
・闘技場の周りに張ったスモーク
・フジテレビ
前回は、ディファ有明というそんなに大きくない箱だったのだが、今回は飛躍して両国国技館。公式発表では4500人くらい入ったようだが、両国国技館はだいたい1万人入るようなので数字上では4割程度だが、実際は2、3割くらいじゃないかな。
とくに二階席と升席のガラガラ具合と言ったら。正面二階という良いポジションの座席なんて誰も座ってなかったぞ。
そして矛盾するが、闘技場周りに張ったスモークは功罪の点でもある。雰囲気は良いものの、足元が見えず、引っかかりやすい。選手はかなり気にしているようだった。ドライアイスで焚いているので、水滴で滑りやすくなっているらしい。闘技場に入るときに、ちょっとつまづく姿はやっぱりかっこわるい。演出も活かしつつ快適な闘技場。ここはなんとかしてほしいところ。
今回最悪なところはテレビ中継がなかったということだ。本来、「巌流島」は、フジテレビのCSチャンネル「フジテレビNEXT」で生放送される予定だった。しかし、突如、2日前にして、放送できなくなったという。
「巌流島」のイベントプロデューサーであり、K-1プロデュースなどで有名になった谷川貞治氏が2日前にフジテレビに呼び出され、放送できなくなったと言われたらしい。問い詰めると、「理由は言えない」とのこと。なんとも不可解である。噂によると、「PRIDE」が復活するらしく、フジテレビはそちらにシフトしたのだとか。
そもそも、フジテレビは格闘技放送の復活を唱えており、「千原ジュニアのニッポン格闘技復興委員会」というCSの番組も始まった。もともとはジュニアがフジテレビの番組内で発した「年末に格闘技復活したらいいんじゃないですか?」という一言で復活したプロジェクトであり、「フジテレビ×新格闘技」というコンセプトでもあった。
つまり、「巌流島」は当然フジテレビの資本も入っていたのである。おそらく「PRIDE」や「K-1」の番組スタッフも入っているだろう。フジテレビがどんな判断があったかを明かしてない以上、あくまで新PRIDE復活という憶測しか生まれないが、「巌流島」視聴のために「NEXT」に加入した人もいるだろう。その人達になんにも補償がないというのは筋が通らない。
会場ではジュニアは来場していたものの、実況のアナウンサーや、ジュニアの番組でアシスタントをつとめていた戸部洋子アナは来ていなかった。完全に「巌流島」-「フジテレビ」=今回のイベントなのだろう。
ニコ生で後日配信する可能性があるが、実況がないのはなんとも物足りない。高画質や大画面で観たいという需要もあるだろう。
オレらも含め、見に行った人にとっては好評だったイベントで(値段に見合ったかどうかはさておき)、とりあえず、Twitterでは「面白かった」という感想のほうが多いように思える。
そこで、「ぼくがかんがえたさいこうのがんりゅうじま」の展開を述べたい。
岡のセコンドとして、ブシロードの木谷オーナーも来場していた。木谷オーナーが興味を持ち、巌流島のパッケージを買い取り、新日本プロレスと巌流島の2枚看板にし、テレビ朝日で中継する。それが理想ではあるが、現状盛り上がっている新日本プロレスでさえ、午前3時の放送なのでテレビ中継はテレ朝が渋るだろう。
まぁ現実的には、大資本は期待せず、ネット配信が一番だと思う。今は簡単にネット配信できる時代だし、配信料も取れる。また日本だけではなく、世界中の格闘技ファンも見ることができるし、独自で配信したほうが儲かるかもしれない。
そしてちゃんと人数に見合った箱をレンタルすることだ。代々木第二体育館や横浜アリーナあたりが適当だと思う。まずはここを満杯にできる事を目指して徐々にステップアップしてほしい。 両国国技館もそうだが、日本武道館でも見たい。
もはや、「打倒フジテレビ」、「打倒新PRIDE」である。「巌流島」のファイターが、「新PRIDE」に参戦して力を見せつけるっていう展開もマンガ的で面白いが、かつて大晦日格闘技3大イベントのように日程が重複することは避けてもらいたい。格闘技ファンの分母をわけるのは避けるべきだ。
その他、モニターにロストポイントの表示をしてほしいなど細かい要素はいろいろあるが、このあたりはあってもなくてもいいレベルだ。
「巌流島」の第3回目は一応年末にやるということは明言されているが、場合によっては今回で最後になる可能性もある。とりあえずは集客と利益確保を目標として次大会を期待したい。
総評としては、格闘技イベントというより"異種"格闘技イベントと考えるべきだ。出場する選手のバックボーンの組み合わせ次第では相当おもしろい"異種"格闘技イベントになっている。なによりも試合展開は派手で判定が少なく、打・投・極がそれぞれで決着が付くので、達人という幻想枠も含め試合が非常に盛り上がる。 第3回の開催があったらまた行きたい。
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