哀れ 岡田以蔵　永遠の花に成れ　散るらん

幕末、家柄の良い、武智半平太は、身分は低いが県の腕の立つ岡田以蔵を使い,政敵などの暗殺を命じた。武智に心酔していた以蔵は、次々暗殺していたが、ついに捕らわれました。おい、誰の命令だったか白状せよ、以蔵への拷問はすさまじいものだったが以蔵はけっして武智の名をはかなかった。牢内での拷問の様子を知った武智は以蔵はやがて吐くのではと危惧し、または拷問から以蔵を解放してやりたかったのか、毒入りの食事を差し入れた。それを知った以蔵は(先生の名前は最後まで吐く気がなかったのに、信じてもらえんかった)と絶望し、武智の名前を吐き死んでいきました。

しかしながら、武智には、こけぅもんの様子は聞かされていただろうから、以蔵を早く死なせてやりたい思いもあったろう・

　　　以蔵哀しや　　　　　　

いまわの以蔵のまぶたには
武市と行きし　島原で
匂いいとわず　寄り添いし
やさしさのみの　はんえりか

命ざるままに　人斬りに
我避ける人　多かりて
土佐の海荒る　幕末に
何が正義と　いえようか

激しき責めに　耐えずして
吐くやと武市　盛し知り
我が限界と　吐露すなら
心音すがし　師よさらば

　　　岡田以蔵　　　

清き流れは土佐の川
いまわの以蔵に　なつかしき
捕らわれ責苦　はげしくも
師をば思いて　たえみせる
おかだいぞうは　やわでない

京はしまばら　師が狙う
御方あやめて　寄りしとき
我の匂いに触れもせで
寄り添いくれし　はんえりに
岡田以蔵が　ひとつこい

余計な事よ　師は我が
口を割りたる　疑いて
盛りたる差し入れ　おそろしや
気づきしときの　悲しみよ
岡田以蔵も　人でござる