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akanesasu 2

こちらの⛪️さんはまだ軍の常勤。
教会時代にたくさん男性経験あり。ごくごく稀に酔う。
酔うとベッドに誘ってしまうタイプらしい。
🍶さんは、男性経験(だいたいタチであるリバ)も女性経験も豊富で上手。本編よりは酔ってなくてモテるので、自分から誘ったことはない。



episode 2
 
  起きた時、几帳面に畳まれた布団と浴衣が置いてあった。あの時は、ああ先に帰ったんだなと思っただけだったが、その後2週間近く姿を見ない。
職場では元々ほぼ会わないのだが、飲み屋では週2〜3回以上は会っていたのに。
「お連れさん最近見ませんね」
カウンター向こうの大将が言う。今日は平日で人が少ないので、暇な大将が気を使い、ちょくちょく話しかけてくれている。
 どうしているのか八番隊の誰かに聞いてみても良いのだが、もしかして避けているのかなとも思うのだ。
 ジャンニとはお互い似たところがある。自分が反対の立場だったらと思うと、多分あいつを避けるだろう。抱いたのはこちらだし気にしなくて良いのだが、襲ってしまったくらいの気持ちでいるような気がする。だとすると、こちらから接触しなければこの先会えないかもしれない。そもそも数年間、これだけ近くにいたのに会っていなかった過去がある。
 …ってか、そもそも病弱なんだよな。
毎回酔っ払って介抱され、家まで送ってもらっているので忘れがちではあるのだが。
 体力落ちてるところ抱いたからな…
ちょっと明日は真面目に捜索してみようと思う。

   クガイの予想は割と当たっていた。
 ジャンニはクガイを避けていた。そして、風邪を拗らせて入院してもいた。
 あの日、旅館を出た時点で熱があったので六番隊病院に行こうとしたのだが、多分これは風邪では終わらないなとのカンが働き、一旦家に帰り入院の準備をして行ったのだ。
 案の定、病院で一気に熱が上がり、その場で入院となった。
 予定以上にグズグズと熱の高下を繰り返し未だ家に戻れないままで、この体調の戻らなさの原因も大方予想がついていた。
 どうもこの体はストレスの影響を受けやすいらしいので、多分クガイとのことが尾を引いているのだ。自業自得ではあるのだが、もう会えないことがかなりショックなのだと思う。
 しかも悪いことに、体はあの快感を覚えていた。今までそんなことはなかったのに、しょっ中思い出しては反応する。体の状態に引き換えこっちの元気さは何なんだろう。 
 今までの人生からしてみると規格外なほど自慰行為を行うハメだ。入院用に緩めの上下を着ていて本当に良かった。

  真面目に探索してみた結果、ここ二週間ほどジャンニが入院中だと判明した。
原因の一端は自分にもあるだろうにも関わらず、ヤリ捨てのような状況になっている。さっさと見舞いに行って、気にしていないことを伝えなければならない。
…はずだが、見舞いだと言ってるのに雑念が一瞬横切り、下半身が反応した。
 さすがにこれはないだろ。
と、六番隊病院についてすぐ、対策のために男子トイレに向かう。
 個室が2つあり一つは使用中だ。横に人がいるのはちょっとなと別の階に向かおうとしたら、聞き覚えのある声がした。

  入院している階でするのはどうだろうと思い、敢えて人が少なそうな別階を選び、誰もいないことを確かめて個室に入った。
 個室の鍵を閉め引き出して見ると、もう張り詰めていて濡れてさえいる。
 旅館のクガイの手つきを思い出しながらそれを刺激すると思わず声が出た。気をつけてまた刺激を続けるのだが、気力で声を抑えるのは難しそうだ。
蓋に片足を上げ、そこに腕をかけ顔を伏せる。自身の腕を噛み、声が漏れるのを最小限に抑えた。
「…ふ…う…っ、んん…っう」
 あの時のキスの感触や刺激、弄られた指と手つき。
 手順を順番通りに思い出しながら辿っていると、後ろが疼いて来た。疼きに耐えるのも限界になってきたが、体勢的にそこに手を伸ばすのは難しい。
 立ち上がって側面の壁に胸をつける形で寄りかかると、後ろに指を滑り込ませた。
「ん…っあっ!」
 求めていた感覚に我慢できず、声が出る。
さっきと同じように、壁に腕をかけそれを噛み、差し入れた自身の指で少し奥まで探るとイイところに届いた。そこを刺激すると、触れていない前もピクリと反応する。
 もう少し声を出さないとしんどい。腕を噛んでいた口を外し、なるべく俯くように腕に顔を伏せる。
「…あっ、そこ…ぅあ…ん、っく…ん…」
 イく、もうイきそうだ。
「あぁ…クガイ…もっ…イく…っ」
言った瞬間
「呼んだか?」
と声がして、中に飛び降りて来てたクガイが両手を拘束した。

  個室から聞こえる声はジャンニのものだ。
あの日聞いた喘ぎ声と、粘着質の音がする。
 1人でやってんのか。
 そろそろクライマックスを迎えそうな艶っぽい声がする。これが個室の中だったら確実に自分もこの声に合わせて最後を迎えているだろう。好きなタイプの喘ぎ声なのだ。
 終わるまでに出て、耳に残った声をオカズにしようかなくらいしか思っていなかったのに、聞こえてしまった。
「あぁ…クガイ…もっ…イく…っ」
自分の名前が呼ばれている。これはちょっと無理だ。
個室のドアを越え、中に飛び降りた。
「クガイ…なんで…」
 本当に後一歩でイクところだったのだろう。
頬は紅潮し、少し目が潤んでいる。
 その表情は嗜虐心を刺激し、ジャンニの両手を片手でまとめ持ち壁に押し付けると、今まで刺激されていたそこと繋がった。
「うあ…!」
一際大きい声がし、膝から崩れそうになっている。
 急だったのにしっかり受け入れる体勢の体の中は熱があるのかかなり熱いのだが、自分と相手の境がわかるようで逆にいい。
「…ぁう…ん…ふ…っ」
 繋がった刺激に慣れるまでと動きはしていないのだが、中は相変わらず勝手に動き、それに従って前も震えているようだ。声が出てしまっている。手を持っているのが支えになり崩れ落ちはしなかったが、いつそうなっても不思議ではなさそうな状況だった。
 落ち着いたようなので、残った片手で腰を支えて行為を始めた。

  前は刺激しなければ精を吐き出さない。
寸止めの状態のまま、後ろだけは刺激され続ける。
 なんで今クガイがここにいて個室で抱かれているのか全然わからないが、そんなことを考える余裕がなかった。
まただ。また中でイってしまう。足に力が入らない。
「…っん、イク…!」
 ほどなく絶頂を迎えるが、すぐ次の波が来る。
 2週間これを待っていたのだ。自分でするのとは全然違う快感を止めることが出来ない。
「…ぅあ、待て、待って…あ、や、んぅ…っ、イク…ん!っあ!」
ああ、もうダメだ。これじゃあ出す前に意識が飛ぶ。でも収まらない。
「ぁ、イク!またイク…っんん!」
もはや、達した余韻を味わう間もなく次が来てしまう。
「あっ…うぁイク…っ!」
目の前に星が弾けた。

密室で

 腰を持っていた腕に急に体重がかかった。
そのままズルズルと壁伝いに体が落ちてゆく。それを抱きとめて声をかけた。
「…おい?」
反応がない。
「え、気ィ失った?」
焦らしプレイすぎるだろ。
気持ちも体もおさまってないのに、どうしろと。
 深いため息をついた。
 …どうしようもないよな。
 とりあえずどちらの服も整えてお互い平常状態に戻るまで待つ。大丈夫かなという程度になってから、倒れているのを見つけた体でナースセンターに声をかけた。

 すっきりした頭で目覚めた目に見慣れた天井が映る。
 …夢だったかな?
 そうに違いない。会いに来てくれて抱かれたなんて自分に都合が良すぎるじゃないか。多分高い熱が見せた幻覚だ。
 …けど幻覚で見るほど求めてるなんてもう末期だな。
ふっと冷静になる。
 仕事を…辞めるしかないかもな。
 同僚で職場も家と近くて良く行く飲み屋も歩ける範囲内なんて、いつ会うか知れたもんじゃない。元々かなり都合をつけて雇ってもらっているのだ。今回の入院を機会に退役することは不自然でもないだろう。
 …そうか、でも、この病院じゃないとうまく体が維持できないんだよな。
本当に厄介な体だが、戦闘派遣に行くとか普通の人間と同じような生活を送るとかいう贅沢を言わないならば、ここまで完全にコントロールできなくてもいいのかも知れない。
 点滴がなくなったことを伝えるためにナースコールをしようかと思っていた時、ちょうどノックの音がした。
 自分しかいない4人部屋なので、少し大きめの声で返事をする。
「どうぞ」
入ってくる担当看護師の女性の後ろに、背が高い男性の姿が見えた。
 いや、嘘だろ。そんな訳ないと今否定したばかりなのに。
看護師が点滴の針を抜きながら言う。
「倒れているのを見つけて連れて来て下さったんですよ」
 確かに。夢の中では気を失った覚えはあるが。

 看護師が部屋を出て2人きりになると、クガイはすぐに言った。
「トイレで倒れてんの見つけて連れて来たことになってんからな。気ィ失うまで抱いたとかさすがにマズいしよ」
 枕をクッション代わりにベッドに寄りかかるジャンニは、しばらく無言で見つめてから言った。
「…確認させてくれ。君、幽霊とか幻じゃないな。たまに生きてるくらい鮮明な幽霊もいるから」
「何て答えりゃいいんだ?違うとかでいいのか?いやさっきヤッただろ」
そうか、あれはやっぱり夢じゃないのか、と1人呟いている。
 下ろした髪といつもは着そうにない緩めのファッション、病室でベッドの上というシチュエーションには少し特別感がある。
 そもそも欲求不満だったのだ。4人部屋に1人というのは都合が良い。
 隣との仕切りカーテンを閉めるとベッドに片膝をかけ、「さっきの続きで確認するか?」と耳元で囁いた。
 この2回の経験で分かったことは、こいつにあまり長く前戯をしないほうが良いということだ。前回はそれで本番が短かったし、自分である程度まで高まっていたさっきは中だけで終わってしまった。
現に囁いただけでそれは反応しているし、首筋に口づけただけでもう濡れている。
 声我慢できないだろうな。
思ったので、唇を重ねてから下半身に刺激を与えた。
「んぅ…っ」
声と共に力が入った体が当たり、ベッドヘッドが壁にぶつかった。
唇を外したジャンニが言う。
「もう分かった、分かったから…っ。そこは…ダメだっ」
言ってから少し躊躇した後、寄りかかる壁からベッドに滑り下り背を向ける形で横になった。それを腕枕をしてうつ伏せさせ、髪をかき避けうなじにキスをする。
「…ん…っ」
枕を抱く手に力が入るようだ。
シャツを手繰り上げ背中に落としてゆくキスの、一つ一つに漏れなく反応する。
「あっ…あ。は…く…んん…つ…ぅ…あ」
腰から脇腹に移動すると、枕下だった右手がベッドヘットを掴んだ。顔が枕から外れ、声が大きくなる。
「うあ…!」
揺れたベッドが壁にぶつかる音と声は相まって外に漏れそうで、慌てて指を咥えさえた。噛ませようと思っていたのに、それを丁寧に舐め始める。
 腰にゾッと刺激が来た。
 咥えたまま、顔の角度を変えながら下から上へ、指先を絡め取るようにぐるりと、そしてまた奥まで咥えて指の股を舐める。
 そこヤバいって。
 実際に下半身にその動きで刺激を与えられているような気がするし、指の股は普通に気持ち良い。何も触っていないのに形を成し始めたものが、だんだん痛いくらいになって来た。
十分に潤った指を口から抜き、服の後ろから形を辿るようにこれから使う場所を探し、そこに指を差し入れる。
 膝をつかせ中の奥を弄った時、ベッドヘッドを持っていた手が外れ、上半身が崩れるようにベッドに落ちる。
「…あっ!そこ…っ!」

 1人でする時に手が触れると、前を触らなくてもイキそうになるところがある。さっきもあと少しで達しそうだったが、その前にクガイが来て至らなかった。
 その部分に、今ちょうど、指が当たる。
思わず声を上げると、そこを中心に中を探りだした。
「あぁ。ここか」
と力を込められた瞬間、体がビクンと跳ねる。
「あぁ…っ!」
ダメだ、そこは本当にダメだ。
触られるたびに全身にビリっと電流が走る。
「あっあ、や、んうっっ、あぅ、あ、んっ!…いく、イク…っ!」
体が精を放つ体勢に入ったのに、そこで指を抜かれた。
 何で、と言おうとした瞬間に、熱いもので刺し貫かれる。
出そうとしていた声がヒュッと喉に入り、息が止まった。
場所に馴染むまで動いていないにも関わらず腰から下が溶けそうで、感覚がふわふわと曖昧だ。
 やがて動き出したそれはさっきずっと弄られていた場所に的確に当たり、その度ごとに大きな声が出るので枕を噛む。
「ふっ、ん、んん、んっ、んっ、ふう…っ」
感じすぎて、繋がっている部分以外に意識を向ける余裕がない。
まなじりから涙がこぼれ頬を伝っているのもわかっているが拭くどころではなかった。
 そこを突かれる度に軽くイッてしまう。トロトロと溢れ出るものが止まらない。
 ダメだ、もうイク。イッてしまう。
「もう無理だ、我慢できない。うあっ、あぁ!出る、イクっ」
「一緒にイくからもう少し我慢しろ」
そう言われても、体はそれを絞り出す準備がどんどん整ってゆく。
まだか、ああダメだ。もう本当に限界だ。
「…っ、いいぞ、イけ」
言われた瞬間、張り詰めていたものから一気に放たれた。
「あぁあ!…あっ、あっ、ああ…っ!」
ベッドヘッドにかかる勢いのものが何回か来た後、自分でする時くらいのものがまた数回来る。
「あっ、う…、っあ、あぁ、あっ」
終わったかと思ったら、また最後に軽いのがあった。
「あ…はっ、ん、んぅ」
まだ痙攣がおさまらない体をドサリとベッドに預ける。
「…すごかった…」
荒い息の中で呟くと、隣にゴロンと横になったクガイが言った。
「いや、マジで。ヤバい。なんか全部搾り取られた感じだ」
こちらを向き、涙を親指で拭き取ってくれながら言った。
「…てかお前、こんなことして大丈夫なのか?」
 ああ、体に障らないかと言うことだろうか?

 君のことが片付いたから大丈夫だろうな。
とは言わなかったが、笑って答えた。
「大丈夫だよ。すぐに退院できると思う」

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