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ダイバーシティの大切さを理解できるワークショップ「バーンガ」体験レポート

※2023年12月20日に投稿した記事です

こんにちは。パブリックグッドの菅原です。
 
当社は2023年6月、国内24番目、マーケティング業界では日本で初めて、公共性の高い企業が取得できる国際認証B Corpを取得いたしました。詳しくはこちらからご覧ください。
 
このB Corpを取得する過程で、わたしはたくさんの方々とお知り合いになれたのですが、今日はその皆さまと一緒に実施したダイバーシティ・ワークショップ「バーンガ」についてレポートします。
 
B Corpを取得するためには、200を超える設問をクリアしていく必要があるのですが、その中でもダイバーシティは非常に重要なパートです。ただ、B Corpは米国発祥の認証制度であり、人種や出自、信仰など、米国独自の社会課題を反映した設問が多く、日本にそのまま置き換えると、回答が難しい設問もあります。そこで、このダイバーシティを「相互理解を大切にすること」と解釈し、体験を通じて理解しようとするのが、この「バーンガ」というワークショップです。
 
ワークショップの形式自体はシンプルです。何名かのグループに分かれてトランプをする、これだけです。ただし、参加メンバーは①一言もしゃべってはいけない、②グループごとに守らなければならない独自のルールが封筒で配布され、みんなで確認した後、回収される、という2つの制約のもとでゲームを進めます。
 
初回は和やかに進みます。しゃべってはいけないとはいえ、簡単なトランプで、守らなければならない独自ルールもそれほど難しいものではないので、和気あいあいと楽しい時間が過ぎます。

注目すべきは2回目以降です。1回目の楽しいトランプが終わった後、ファシリテーターから1位とビリの人がグループを移るように指示されます。するとどうなるでしょう。新しく来た人は、そのグループ独自のルールを知りません。指示書は回収されてしまいました。喋ってはいけません。こういった状況の中で、ゲームを進めなければならないのです。
 
ここからが、このワークショップの本当のテーマである「相互理解」が試されるのです。あるグループはカードを並べて説明してみたり、あるグループは身振り手振りで表現してみたり、あるグループは全く説明せず、とりあえずやり始めてみたり、様々な試行錯誤が繰り広げられています。

「バーンガ」はもともと、少数派の気持ちを理解する、という目的で考案されたワークショップなのだそうです。例えば、わたしたちの仕事に置き換えると、新入社員を受け入れるというシチュエーションが分かりやすいでしょうか。 誰しも、「始業時間は10時からです」「ファイルにはパスワードをかけてください」といった業務上のルールは分かりますよね。就業規則や研修資料に書いてあるので。けれど、会社にはことばになっていない、時間をかけて培われた「文化」というものがあります。この「文化」も業務上のルールと同じように、働いているひとりひとりが守っているものです。このことばになっていない「文化」は多くの場合、経営者や既存社員の中に内面化しているので、新しく入ってきた社員には分かりません。このワークショップでいえば、最初に配布され、回収された独自ルールがそれにあたります。

もともといる側が、このことばになっていない文化を「伝えなきゃ」という意識があるかどうかで、大げさに言えば、新入社員が会社に馴染んで能力を発揮できるか、既存社員との間に溝を生んでしまうか、決まる。バーンガはそんなことを考えさせてくれるワークショップでした。
 
以前、日本マーケティング学会の著名な大学の先生に「企業文化とは、何が良くて何がダメかを判定する基準のこと」と教えていただいたことがありました。わたしはパブリックグッドの創業者で、当社独自の文化を創ってきたとは思っています。ですが、新入社員の立場になって、ことばになっていない文化を伝えるということの重要性はあまり認識してきませんでした。ワークショップが終わった後の振り返りで、そんなことを考えて、ひとりで凹みまくっていたら、周りの方々から「深いところまで行きすぎ」と慰めてもらえました。
 
ダイバーシティとは、相互理解のこと。相互理解とは、実は自己理解から始まる。そんなことを体験できたワークショップでした。

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