施設ネーミング開発 4つの発想法とテクニックをご紹介

印象だけでなく、売り上げにも大きく影響してくるのであろう、施設のネーミングは言わずもがなとても大切です。今回は、実際にネーミング開発を行うにあたって、参考にした商業施設のネーミング開発の発想法、テクニックを紹介していきます。

ネーミングを行う前に

ネーミングを行う前に必要なこととしては、ブランドがお客様に与える価値を改めて確認しておくことです。以下は、チーム内で、ブランド価値を共有するために利用したフレームワークです。

今回、施設の価値を「社会的価値」「情緒的価値」「機能的価値」「事実・特徴」に実際に当てはめていきました。

社会的価値:上天草を元気に/上天草のショールーム/新たな文化の創造/食・文化・情報・ヒトの交流拠点
情緒的価値:癒し/非日常感/新しい出会い/わくわく
機能的価値:海のアクティビティ/陸のアクティビティ/上天草の情報収集が容易に出来る/天草マーケット
事実・特徴:海の眺め/観光カウンター/クルーズのチケット販売


最も大切なのは、わかりやすさ、価値が伝わっているか、覚えやすいかの3つです。これらは複数の要素が絡み合っており、親しみやすさ、差別化、目指すコンセプトに沿っているか、リズミカルさ、信頼感、安心感など多岐にわたります。

上記を頭にいれて、ネーミング開発を行うにあたって使える発想法を色々と調べたところ、以下の4つが特に参考になりました。

ネーミング開発 4つの発想法

①ブランドコンセプト型
ブランドのコンセプトや価値を強くおしだしたネーミング。

②エビデンス型
ブランドが持つ機能的価値(施設が提供するサービスや商品の機能やスペックによってもたらされる利益、ボルダリングが出来る、テイクアウト専門店など)を重視したネーミング。

③サウンド&フィール型
情緒的価値(施設・商品を体験したり購入したりすることで得られるポジティブな感情)を重視したネーミング。

④アイデンティティ&フィロソフィ型
企業・ブランドのアイデンティティ、理念・ビジョン、ストーリーを表現したネーミング。

これらの発想法を参考に、まずは、気になるキーワードを沢山出していきます。ある程度意見を出し切ることができたら、ポストイットなどを使って、グルーピングしていくのもいいでしょう。

ネーミング開発 テクニック

・プラス造語法(A+B=AB)
2つの言葉を組み合わせて行うシンプルな方法です。シンプルがゆえにセンスが必要とされますが、ハマればいいネーミングになります。
ポイントとしては、文字数の少ないキーワードを選ぶ、語感の強いキーワードを選ぶことをおススメします。

例えば、当施設は海の見える立地にあるので海(シー)というキーワードと、橋が見える立地にあるので橋(ブリッジ)というキーワードを組み合わせて『シーブリッジ』と名付ける等が考えられます。

・減量造語法(A+B=ab)
プラス造語法と違うポイントとしては、ふたつのキーワードをそのまま足すのではなく、元の言葉の意味が伝わること、発音のしやすさなどを考慮し、文字を削っていくところです。ポイントとしては、文字を省略した後でも意味が伝わるよう、知れ渡っている言葉を選ぶことや、語呂の良さを意識することです。

例えば、当施設は非日常間を提供する施設なので、非日常(アンプレシデンティッド)と上天草というキーワードを組み合わせて、『KAMIAMA UNPLEカミアマ アンプレ』と名付ける等が考えられます。

これらのほかにも、変形造語法(ひとつのキーワードに対して足し引きを行う方法)や頭文字造語法(各単語の頭文字を組み合わせて造語する手法)など様々な方法があります。

今回、私たちは、多額の広告宣伝費を持っているわけではないため、名前からコンセプトを想起できないようなネーミングは避けています。
一方で、宣伝に費用をかけられる企業については、長期的に宣伝広告を打ち続けることで、大衆に安心感、信頼感、親しみやすさを与えていくこともできます。ルル、パブロンといった商品はまさにそういった事例の典型例です。

何十年も続いていくであろう施設のネーミングは責任も大きく、簡単な仕事ではありませんが、沢山のお客さんに、運営にかかわっていただく方に愛されるものにすべく頑張りましょう!

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