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今更解説する鬼滅の刃はなぜ人気か

コロナで休みの日もstay home。こんな時はアニメでslay ogre。頼りになるのがamazonプライム。

前々から気にはなっていたのだが、見れていなかった鬼滅の刃をamazonプライムのアニメ版で今更ながら見た。

見る前からなんでこんなに人気があるんだろうと思っていたが、見てみるとなるほど確かに面白い。

そこで、今回は面白いと思った所を独断と偏見で書いてみようと思う。面白いと思ったポイントはざっくり3つ。

・ストーリーの分かりやすさ

ざっくりした内容は主人公(炭治郎)の日常が鬼の襲来で壊れ、唯一生き残ったが鬼になってしまった妹(禰豆子)を元に戻す為奮闘する。以上。シンプル。修行→鬼退治→次と、展開も早く飽きさせない。

何よりジャンプの三大原則、友情・努力・勝利も須く描いている。定番といえば定番のパターンなのだが、やはり主人公が友との絆や特訓を通して成長し、敵に打ち勝つというのは見ていて気持ちが良い。

・鬼という存在

鬼という存在は人を喰らう、倒すべき敵として書かれている。しかし、よくみるとその内面には人間と同じような心の葛藤を抱えており、完全に悪者というわけではないのが面白い。

元十二鬼月の響凱は人間の頃から「里見八犬伝」を好み、自身も伝奇小説を書いていましたが、あまり周囲からは評価されず。鬼となった後も文筆家で身を立てることを望んでいたが、作品を酷評し原稿用紙を踏みつけにした知人を惨殺したことが描かれている。十二鬼月の累は適当な鬼を集めては『家族』と称する群れをつくり、暴力と恐怖で取りまとめていた。響凱は「承認」、累は「家族愛」を求めていた。

漫画家荒木飛呂彦は「悪い事をする敵というものは心に弱さを持った人であり、 真に怖いのは弱さを攻撃に変えた者なのだ。」と言っているが、まさに人の心の弱さを具現化したものが鬼であり、鬼滅の刃は人がそれを乗り越えていく話なのではないだろうか。人の弱さを具現化したものが鬼なので、鬼にも共感できる一方、修行によって体を鍛え、人や鬼との出逢いによって心を鍛える主人公を応援せずにはいられない。

・呼吸法が表すもの

鬼を倒すための特別な呼吸法で、例えば水の呼吸、壱ノ型:水面切りなどがある。まず呼吸法というのが面白い。呼吸は恐怖の時乱れる。鬼は人の弱さであればその恐怖に打ち勝つ(冷静でいる)ために呼吸法があると考えると分かりやすい。どんな恐怖でも、そんな時こそ落ち着いて対処すれば大丈夫なんだよ、と著者に言われているような気がする。

あと、仲間の恐怖の乗り越え方(呼吸法)もバラバラで面白い。主人公は水の型+生家に伝わる「ヒノカミ神楽」を剣技に変換し、使用し始める。禰豆子は鬼でありながらそれを理性で抑えるというストロングスタイル。善逸は雷の型の一つを極めるというスタイル。伊之助はという我流のスタイル。すなわち恐怖の乗り越え方は型に嵌まらなくても人それぞれ色々あってもいいんだよ、という事なのだと思う。

・まとめ

ストーリーが分かりやすく、単純な友情努力勝利のパターンでありながら、実は鬼や呼吸法というのは人の弱さや恐怖の克服の仕方を抽象化したものであるため、単純な勧善懲悪の話ではなく深みがある作品、なのである。



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