泡
湯船があると良く潜るのですが、その度手足に張り付いた魚卵の如く小さな気泡が水面に浮かんでいく様を眺めていると、浅い湯船に浸かった自分が沈んでいるのかと錯覚しそうになります。
しかし同時に、沈む恐怖よりも翳る水底へ堕ちていく安堵感の方が強く、どこか羊水に浸かっていた胎児に戻ったかのような、まるで自分自身がひとつの泡になった気持ちになります。最初に見ていた、脆く弱く弾けそうになりながら、私の手足から水面に向かって昇っていった気泡の一部に自分が居たかと思うと、ああ明日も精一杯生きていこうと痛烈に感じることができるんです。
この曲は、そんな弱く脆くあっけのない小さな泡たちが、一生懸命に命を燃やし、狼煙のように水面に向かって立ち昇る様を、海底からじっと見つめているような気持ちにさせてくれます。
長いし自分に酔ってるな。泡は泡でもお酒なのかもしれない。良い曲!
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