恐るべき公安⑧-01監視テクノロジー「監視追跡のGPS追跡とNシステム」
悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。
青木理「日本の公安警察」
青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動
道路に光る監視の目
発達するテクノロジー
営業マンの監視システム
システムはPHSが発する電波を使って所有者の居場所を把握するサービスを利用して、担当者によれば「地形などにもよるが、誤差は100メートル程度」。
複写機販売会社の本社内にあるコントロールルームでは、10人程度のオペレーターが顧客らからの電話を受けながら、画面を凝視し続ける。システムを開発した会社の担当者は「将来的には数メートル単位での位置把握が可能になる」と胸を張る。
Nシステム
「Nシステム」は、警察庁を始めとする警察組織のどこからでも検索可能で、
調べようと思えば目的や時期を問わず、誰が所有する車両であろうと、
その移動状況を容易に把握できるということになる。
Nシステム問題に詳しい弁護士の桜井光政は不気味な予測を口にする。
「このシステムが増えていけば、国民全員が複写機会社のエンジニアと
同じ状況に置かれる可能性が出てくる」。
つまり、あらゆる移動が全て警察に監視されることになる。
張り巡らされる監視の目
公安警察の協力者獲得作業における「基礎調査」のケースを想定するだけでも、
尾行という発覚の恐れのある手段を講ずる前段階で、車両に関しては対象者の移動場所、移動時間や生活のリズムまでをラフな情報として把握できる。
何よりも過去の蓄積データを事後に検索できるという利点は大きい。
つまり、移動パターンや行動などを全て監視・予測することが可能になってくる。
伊丹万作「騙されることの責任」
もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。
もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より